二駅ずい『彼女はろくろ首』4巻完結

 

 

彼女はろくろ首

 

作者:二駅ずい

掲載誌:『別冊少年マガジン』(講談社)2015年-

単行本:講談社コミックス マガジン

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

体育祭。

それは鹿井なつきのターン。

おもいきり首をのばしダンクシュートを決めまくる。

 

 

 

 

最終4巻で新登場する妖怪は「首かじり」。

ろくろ首の天敵だ。

かじり放題の長い長い首をみて、辛抱たまらず襲いかかる。

 

おかしくも微笑ましい妖怪たちの習性を、あいかわらず楽しくえがく。

 

 

 

 

隣にすむ一樹が、親の希望で妖怪の街から引っ越すことに。

なつきはついに自分の気持ちに正直にふるまう。

 

 

 

 

すこし風変わりな姿勢でのキスのあと、とろんと恍惚の表情に。

なつきはろくろ首であると同時に、「恋する乙女」とゆう妖怪でもあった。

 

 

 

 

翌日、学校で級友に別れを告げてから下校する一樹を、

自転車にのったなつきが待ち構えていた。

いろいろ飲みこんだ上での、さりげないそぶり。

日付がかわれば、今度は「普通の女の子」にもどる。

 

 

 

 

 

女の子を亜人や、なにかの擬人化としてえがき、

ギャップ萌えや関係性のおもしろさを売りこむ作品が流行中だが、

高校生の日常を切りとるセンスにおいて、本作は突出している。

ひょっとしたらなつきは隣にすんでいて、窓からこちらを覗いてるかもしれない。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

小川麻衣子『魚の見る夢』

 

 

魚の見る夢

 

作者:小川麻衣子

発行:芳文社 2012-14年

レーベル:まんがタイムKRコミックス tsubomi series

[ためし読みはこちら

 

 

 

二歳ちがいの姉妹百合をテーマとする漫画。

黒髪ショートが姉の「巴」で、あかるい色の方が妹の「御影」。

別の高校へかよってるため制服がことなる。

スカートのトーンなどのバランスがハーモニアスだ。

 

 

 

 

登場人物の外見はともかく、内面はみなバランスを缺く。

姉にちかづく女に対し、御影が嫉妬と敵意と狂気をほとばしらせたり。

 

 

 

 

御影は画家である父から、かつて性的虐待をうけたと語り手は匂わせる。

いま姉妹は父と別居しているが、御影は姉に内緒で会っている。

父は人間として嫌いだが、絵は好きで、ヌードモデルをつとめることも。

 

 

 

 

中心人物は7人で、百合漫画としてはやや多いかも。

徐々に関係がふかまり、複雑化し、変容するなかで、

少女たちは残酷にふるまい、他者と自己を傷つける。

ナイフよりずっと鋭利に胸をえぐる。

この絆が永遠じゃないなら、みづからの手で壊すべきだから。

 

 

 

 

「魚の見る夢」とゆう詩的なタイトルの意味は明瞭でないが、

水族館の水槽を回遊する魚みたいで、決して居心地わるくない日常において、

みじかいモラトリアムの期限日を漠然と不安におもう少女の心情をさすらしい。

 

 

 

 

1巻の描き下ろしは、無邪気なころの姉妹をえがく。

昼寝する姉をみて、御影は毛づくろいする猫の様に口づけする。

セクシャルであるよりソーシャルなものとして百合を定義。

 

 

 

 

御影を慕う同級生の「高柳」が、学校の裏庭で急接近してくるシーン。

拒否するでもなく、御影は親友の瞳をじっとのぞきこむ。

見つめ合ってるのに、その視線があまりにつよすぎ、高柳は一線をこえられない。

 

永遠と背中あわせの一瞬を、少女らが睦みあう様子に閉じこめた、名作中の名場面だ。





関連記事

テーマ : 百合漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合   

綱島志朗『人狼機ウィンヴルガ』/中村卯月『エンゲージ バレル』

 

 

『人狼機ウィンヴルガ』(チャンピオンREDコミックス/Kindleストア)は、

ジンキシリーズなど巨大ロボット漫画に定評ある綱島志朗の新作。

 

 

 

 

主人公は、赤い瞳と銀髪をもつ「真白」。

暮らしていた平和な町が武装集団に襲われ、囚われの身となる。

 

 

 

 

妹の様にかわいがっていた幼い「マイ」はレイプされ、残酷に殺される。

アマゾンレビューを見ると、「凌辱シーンは気持ち悪くて見てらんない」

「性に対しての綱島さんの考えに毎度少しだけ引いてます」

「綱島先生は何処へ向かっているのか?」など、

本作の性描写に対し批判的な意見がおおく寄せられている。



 

 

 

 

中村卯月『エンゲージ バレル』(YKコミックス/Kindleストア)は、

第一次世界大戦風の戦場から脱走した兵士「フリッツ」の物語。

 

 

 

 

空腹のあまり森で倒れていたところ、近くの村にすむ「アンナ」に救われる。

極限状況で出会った男女の心の交流がテーマだ。

これまで学園モノがおおかった作者は絵柄を大幅にかえ、

異国の風景・衣装・軍装などをきめこまかく描写する。

 

 

 

 

ひとり暮らしをしていたアンナとの共同生活がはじまる。

実は彼女は体を売って生計を立てていた。

きびしい情勢でほかに手段はないし、恥じるつもりもないが、

それをフリッツに知られるのは辛いことだった。



 

 

 

 

言うまでもなく、現実世界で国家間の戦争は減少傾向にある。

つまり戦争はオワコン化してるのだが、あいかわらず物語の題材として好まれる。

殺伐とした戦場や、剣呑な兵器が、女たちをよりうつくしく引き立てるからか。



関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: ロリ  近未来 

美少女の街

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





関連記事

テーマ : スナップ写真
ジャンル : 写真

春河もえ『異議ガール!』

 

 

異議ガール!

 

作者:春河もえ

掲載誌:『月刊コンプエース』(KADOKAWA)2016年-

単行本:角川コミックス・エース

[ためし読みはこちら

 

 

 

ある女子大生が法律事務所をおとづれたところ、

眼鏡をかけた知的な感じの弁護士っぽい人と、

ツインテールで愛くるしい助手っぽい少女にむかえられる。

女性でも安心できる雰囲気の事務所だ。

 

 

 

 

ところが、メガネの「繭子」の方が助手だった。

その正体は、音大を中退して引きこもっているアニメオタクで、

もちろん法律の知識などまったくない。

 

 

 

 

「リタ」は留学先のアメリカで資格取得した、14歳の弁護士。

かわいすぎるせいで信用されないため、影武者として幼なじみの繭子を雇った。

 

法律面はプロの監修をうけたらしく、離婚裁判での破綻主義と有責主義など、

専門用語が飛び交う、まじめなリーガルコミックとなっている。

 

 

 

 

春河もえは『東方鈴奈庵』で知られる作家。

世にもめづらしい「ロリ弁護士」とゆう題材を、あでやかに視覚化する。

 

 

 

 

「冬木智子」は、史上最年少の検事。

アメリカ時代に知り合ったリタをライバル視し、強引に有罪を立証しようとする。

 

ひらひらして派手な服装は、狩魔冥など『逆転裁判』シリーズを髣髴。

 

 

 

 

反目するリタと智子だが、内心はおたがいを認めあい、惹かれあっている。

本作は、百合の香りが濃いめなのが特色。

東方世代のフィルターをとおしアップデートされた逆裁系作品とも言える。

 

 

 

 

離婚、ストーカー、悪徳業者……。

街は揉めごとであふれかえる。

それでもかわいさとゆう正義をつらぬき、彼女らはたたかう。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: ロリ 
最近の記事
記事の分類
検索とタグ

著者

苑田 健

苑田 健

掲示板『岩渕真奈 閃光の天使』
も運営しています。

Twitter
メール送信

名前
アドレス
件名
本文

カレンダー
01 | 2017/02 | 03
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 - - - -
月別アーカイヴ
02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03