エゴイストたち
(J.LEAGUE PHOTOS)
岩渕真奈のファンは、丸山桂里奈が嫌いだろう。
立場上、大きな声で言えないが、オレも例に漏れない。
ぶつちーは絶対、テレビ番組でAKBコスで踊つたりしない。
一億円積まれようが。
そんな彼女をみたら、腹を切り、死んでみせよう。
良い悪いの話ではない。
哲学の違いだ。
『週刊サッカーマガジン』3月13日号(ベースボール・マガジン社/撮影:高原由佳)
丸山はジェフ千葉レディースから、スペランツァFC大阪高槻へ移籍した。
『週刊サッカーマガジン』で、経緯をあけすけに述べる。
いわく、ジェフは「勝ちたい、強くなりたい」という気持ちがたりない。
やたら走らせる監督も気にいらない。
チームに加入した当初から、個人的に厳しいランニングメニューを課されていました。
監督としては、私の足りない部分を考慮してのことだったかもしれませんが……。
「足りない部分を考慮したかも」なんて、プロの指導者に対する侮辱だ。
代表へ復帰できたのは、ジェフのおかげも大きいのでは?
それに「クラブ全体で勝利への執着がうすい」なんて、大胆な言い草だこと!
もしスポンサーがカリナの批判を耳にしたとして、
どんな影響を及ぼしうるか、考慮したのか?
活字の裏で、ぶよぶよ肥大化したエゴが、暴発している。
くりかえすが、ボクは良い悪いの話をしていない。
カリナはなにも悪くない。
これがサッカーだ。
球蹴り遊びはおおらかに、私利私慾を肯定する。
エゴイストでなければ、緑の戦場で、生きのこれない。
撮影:糸賀正
アルビレックス新潟からベレーザにきた、阪口夢穂の舌は如才ない。
まづ現所属クラブを称える。
もしINACから誘われても、行つてない。
新潟ではINAC対策でロングボールを蹴つた。
ベレーザなら、普段の戦術で、パスをつないで勝てる。
撮影:金子悟
古巣についても、心をこめてかたる。
上尾野辺めぐみは、最後の最後まで引き留めてくれた。
彼女には本当にもうしわけない。
あと、昼間の仕事がイヤで逃げたとは、いわれたくない。
「ベレーザとプロ契約」という報道はまちがつてるし、新潟での毎日は充実していた。
つまりこの移籍は、きわどい賭けだ。
大阪人だからか、八方美人な口ぶり。
そのなかで、おのれの譲れない矜持を、ほとばしらせる。
ベレーザの公式サイトに、選手紹介ページができた。
勿論13番からチェック。
足サイズは「22.5cm」。
意外とちいさい。
好きな言葉は「ー」。
うん、やつぱりね、だとおもつたよ。
カメラマン・早草紀子の著書『紡 -TSUMUGI-』で、
ただひとりインタヴューからにげた、ワールドカップ出場選手。
好きな言葉はなし、というより、言葉が嫌い。
フィールド外で、おのれを飾りたくない。
自分は自分、それ以上でも、それ以下でもない。
言葉つて、なんの意味があるの?
雄辯すぎる沈黙。
窮極のエゴイストといえるかな。
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