『ペントハウス』
ペントハウス
Tower Heist
出演:ベン・スティラー エディ・マーフィ アラン・アルダ ティア・レオーニ
監督:ブレット・ラトナー
制作:アメリカ 2011年
分類すれば「犯罪コメディ」になるかな。
(ウィキペディア英語版にもCrime comediesなるジャンルが)
エディ・マーフィとベン・スティラー、二大喜劇王の競演をたのしみたい。

ムショを出たばかりのマーフィが、早速しやべくり倒す。
「アーッ、オマエは痙攣君か!」

「小学校でよく痙攣おこしてたな!教室のど真ん中で椅子ごとブッ倒れて」
「いや」
「でもつて、こんな風に口からブクブク泡ふいてさ。みんなビックリだぜ」
「いやいや」
「まつたく、授業中でもおかまいなしだもんな。超キモかつたぞ!」
「いや、だから」
「しかもよ……」

「だから!喘息だつたけど、痙攣はしてない!」
ボクは口数がすくないタチなので、
あの舌の高速回転は、おなじ人間とおもえない。

標的は、マンハッタンの高級マンション最上階にすむ大富豪。
屋上には温水プールが。

人あたりよく、下々の者にやさしい。

実は融資詐欺師で、スティラーらのなけなしの金をむしりとつた。
アラン・アルダが人格の裏表をたくみに演じる。

レゴで練る犯罪計画。
NASDAQ会長だつたバーナード・L・メイドフによる詐欺事件や、
「ウォール街を占拠せよ」運動などを、脚本は反映する。

FBIも見のがした、壁に埋めこまれた金庫。
だがその中身は……。
ところでデモ参加者たちは、「われわれは99%だ」と合唱する。
のこりの1%が、合衆国総資産の35%を独り占め。
ボクもそれは残念におもうが、結局のところ、この映画の本質とかかわりない。
だつて、入れるものなら、だれでも「1%」に入りたいよね!

ガボレイ・シディベ
つまり映画は、欲望を肯定する。

マンハッタンを疾走するスティラーに、うつくしいラリアットがきまる。

FBI捜査官役のティア・レオーニ。
東海岸の空にはえる。

バーですこしだけよい雰囲気に。
ベンとは2回目の共演(96年の『アメリカの災難』以来)で、
彼と一緒に演技をすると、必ず役になりきれるから不思議ね。
前の共演ではキスシーンもあったから、私たちは親密な関係なの。
ちなみに私が映画で経験した最高のキスの相手は、ウディ・アレンだったわ(笑)。
映画プログラム
取材・文:斎藤博昭
ウディ・アレンとのキスが、最高の思い出。
生粋のニューヨーカーなのだろうな。

監督をふくめ、スティラー、マーフィ、アルダ、レオーニ、ブロデリック、シディベと、
これでもかとNY出身者でかためたNY映画。
むせかえるほど、あの街の匂いがたちこめるが、でもヨソモノを排除しない。
居心地がよい。
ことさらにNY愛を訴えないけど、まるで隠せてない。