22になるまえに ― 「ラスベガスをぶっつぶせ」をみて

リオ
(この画像は映画とたぶん無関係です)

ラスベガスをぶっつぶせ
21
出演:ジム・スタージェス ケイト・ボスワース ケヴィン・スペイシー
監督:ロバート・ルケティック
(2008年/アメリカ/122分)
[シネマート新宿で鑑賞]

原題は「21」
ブラックジャックにおいて目標となる数字であり、主人公の年齢とかけてもいる
「24」と混同されることをおそれたのか、へんな邦題がつけられたのは残念だ
世界各地のカジノで人気があるこのゲームは21をめざしてカードをひいてゆくのだが、22以上になった瞬間にバスト、すなわちプレーヤーのまけとなる
そういう意味で若者の年齢とブラックジャックはにている
21歳…大学生なら社会人一歩手まえの微妙な時期
学生でなくても、社会からの圧力がきゅうにつよまってくるころだ
もう子どもではないし、いろんなことをおぼえてこわいものなしではあるけれど、つぎの日には社会人のいちばん下っ端になるかもしれないという不安定さ

本作はマサチューセッツ工科大学の天才学生たちが、数学的手法をもちいてラスベガスのカジノで荒かせぎするというお話
だいぶ脚色しているとおもうがいちおう実話にもとづいている
手に汗にぎるギャンブル映画なのかとおもっていたが、かれらのつかうカードカウンティングという手法は、ひたすらでてきた札を記憶してあらかじめきめた方式どおりにかけるというもの
カウンティングじたいは違法ではないので、店側から「出てけ」といわれないかぎり自動的に大金がはいってくるというしくみ
なのでディーラーとの心理的なかけひきなどはいっさいえがかれず、ゲームとしてはおもしろくない
そのかわり、数学しかとりえのない青年のゆれうごくきもちをていねいにえがいた青春映画の佳作となっていた
映画はみてみないとわからないものですね

主人公のベンにふんするのは、イギリス出身のジム・スタージェス
じまんじゃないがおれは10よりおおきい数をみているだけで頭がいたくなる文系人間で、「ハンサムで数学の天才の主人公なんて共感できるわけない」とみがまえながら映画館に足をふみいれた
…いや、うまいよこの役者
もともとまじめな苦学生で、教授が組織するギャンブルのチームにさそわれたときも最初はことわろうとする
しかし医学部進学のための資金が必要なのと、あこがれていた女の子がチームにいるという理由であぶない橋をわたることにする
ロボットコンテストに夢中なオタク友だちや、女手ひとつで主人公をそだてたやさしい母親とのエピソードが丹念にえがかれていて、つい応援してあげたくなった
すきな女の子と電車のなかでいいかんじになったのはいいのだけれど、くどき文句もいわないでいきなりキスしようとして拒否されたり
この痛々しさ、青春だな〜
まあそのあとラスベガスのホテルのスイートであっさりとことにおよび、なんだよとおもったけど
演技は繊細かつ憎めないかんじで、名前をおぼえておいて損はない俳優だとおもわれます

ヒロインは「スーパーマン リターンズ」にもでていたケイト・ボスワース
オーランド・ブルームの元カノということで、日本女性たちからの嫉妬をあびたこともあるらしい
いま風の女優っていうんでしょうか、モデルっぽい体型と男っぽい顔つき
わたしはもっと女優らしい女優のほうがすきです
まあ美人だとはおもうけれど、世界中をさがせばもっときれいな白人女性はいるんじゃないの、とスクリーンをながめながらおもってしまった
物語を左右するような重要な役ではないこともあって、つよい印象はのこらなかった
ケヴィン・スペイシーやローレンス・フィッシュバーンはまあまあといったところ
出演料相応の芝居ですね

題材のおもしろさもあるけれど、やはりジムのみずみずしい好演がすべてかな
あたらしい才能が世にでる瞬間にたちあうことは映画ずきの最大のよろこびで、ラスベガスで散財するよりよほど健全なギャンブルだともおもう

theme : 映画感想
genre : 映画

comment

Secre

今更ながらのコメントですみません…

>まあそのあとラスベガスのホテルのスイートで
 あっさりとことにおよび、なんだよとおもったけど

が、笑ってしまいました。
その通りだと思いました、私も観ていて。

私も数字を見るだけで吐き気を催す人種なので、
彼らの頭の構造がたいそう羨ましかったです。
やっぱり多少は勉強しとかないと、
損なのかなと反省してみたり…。

今から勉強したところで、
ベガスで大金を稼げるようになるとは思えませんが。
夢のある作品で楽しかったです(泣)

いえいえ

コメントは義務じゃありませんからのんびりしてくださいね!

あっさりそこにいたるとありがたみがなくて困りますね
「したのかな?してないのかな?」くらいがちょうどいいと思うのですが

僕は確率の話がチンプンカンプンだったので、自分でやろうなんて思いもしませんでしたよ!
普段からギャンブルを全然しないですし
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ケン

Author:ケン
男。ファミコン世代。
千葉市出身、新宿区在住。

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