汗に濡れる百合の園 ―― 『サッカー・パンチ』の舞台裏

 

『サッカー・パンチ』(邦題『エンジェル ウォーズ』)のヒロインを演じた、

エミリー・ブラウニング二十二歳。

楚々としたかんばせ。

ジム・キャリーの変顔に笑うのをこらえた、唯一の共演者なのだとか。

ベイビードールは、もとからベイビードール。

たとえば『ゴッドファーザー』同様、配役は難航したのに、

完成後はすべて必然におもえるのが、神話的傑作である證拠。

 

 

身長は157センチ。

アクション映画の主役を張るなら、すくなくとも170は欲しい。

でも、キックはするどい。

女子サッカーファンのボクがいうのだから確かだ。

 

 

華麗な立ち回り。

刀をにぎつたまま、ひらり側転!

 

 

たてば天使。

すわれば文学少女。

たたかう姿は百合の花。

劇場に六回足をはこんだが、なりきりぶりに毎度驚嘆する。

 

 

 

 

 

「エミリー、次はこれいくぞ」

「いやいや、さすがに無理でしょ」

 

 

否応なし。

運動嫌いの彼女は、トレーニングの最初の一週間、

オーストラリアの母に、毎晩電話で泣きついた。

 

 

「ロケット」役のジェナ・マローンもがんばる。

三か月にわたる地獄の合宿を、新進女優たちは生きのびた。

 

 

 

 

 

たのしいこともある。

「正直、銃とか興味なかつたけど、目覚めたわ」。

 

アビー・コーニッシュ

 

散弾銃を撃ちまくり……

 

 

……拳銃も撃ちまくる。

柔肌に硝煙の匂いが沁みこむころ、少女は戦士として覚醒する。

 

 

 

 

 

「マダム・ゴルスキー」役のカーラ・グギノはこう語る。

 

撮影初日から5人がとても強い友情で結ばれているのがわかったわ。

トレーナーから聞いたのだけど、

訓練中もずっとライバル意識を持ったりしなかったそうよ。

『300<スリーハンドレット>』の肉体トレーニングでは

男優同士を競い合わせることで効果が上がったらしいけど、

女の子たちはチームワーク第一なのよ。

 

映画プログラム

 

『300』(アメリカ映画・2007年)

 

くらべれば一目瞭然。

女がどれだけ鍛えても、体にはあらわれない。

贅肉が削ぎ落されるだけ。

でも筋肉より価値ある宝物を、女戦士はみつけた。

 

 

それは、うつくしき友情。

 

 

OKがでるたび大ハシャギ。

銀幕は、見えないものまで映す。

カメラがまわらないときも信頼しあい、愛しあつているからこそ、

「スイートピー」の慟哭が、観客の胸を張り裂けさせる。

 

 

ボクのかわいいベイビードール。

あしたもキミに会いにゆくよ!


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