『ゴッドファーザー』の女たち ― 「ブログ DE ロードショー」告知
さて、人気の企画「ブログ DE ロードショー」第十二回のおしらせです。
鑑賞の期日は、8月20日(金)から22日(日)まで。
都合が悪ければ、後日に御覧になってください。
涼しい部屋でDVDなどを見て、あとで他のかたの記事を読みくらべたり、
自分でもなにかつぶやいたりして、楽しみましょう。
作品名はズバリ!
『ゴッドファーザー』
出演:マーロン・ブランド アル・パチーノ ジェームズ・カーン
監督:フランシス・フォード・コッポラ
制作:アメリカ 一九七二年
……に決りました。
もちろん「パート1」のみです。
今回は不肖わたくしめが、選定をつとめました。
これまで取り上げられた作品については、miriさんのブログを参照してください。
有名な映画だけど、簡潔に内容を説明しようかな。
物語は、ドン・コルレオーネの娘の結婚式からはじまる。
この場面はいつ見ても幸せな気分になり、つい顔がニヤけてしまう。
それには理由があって、コッポラ監督の七つ下の妹である、
タリア・シャイアがうつくしい花嫁を演じているから。
「ボスの妹をみんなで祝福しよう!」という気分が、画面から伝わる。
結婚生活そのものは、幸福にならないけれど。
なんだ、オレを殺すのか!?
やってみろ、オマエの親父みたいに!
コルレオーネの人間は、みんな人殺しだ!
夫婦ゲンカなど犬も食わないが、
この場合は陰謀の一部でもあり、複雑で苦い味わいがある。
三男坊マイケルは「一仕事」終えたあと、イタリアはシチリア島に逃れる。
そこで出会ったのが、島の娘アポロニア。
焼けつく地中海の太陽のもと、電撃がはしる。
マイケルはその日にアポロニアの父に対し、正式に結婚の意思をつたえた。
決断のはやさでは、誰にもまけない男だ。
晴れて夫婦となった二人。
逃亡先での、甘い生活。
アポロニアの美貌と愛くるしさは、どうにも忘れがたい。
ちなみに冒頭の結婚式は、マイケルの当時の恋人だった、
ケイ・アダムズも出席していた。
終戦直後のファッションに身をつつみ、煙草をくゆらすダイアン・キートン。
相手役のアル・パチーノはまだ無名だったが、
ふたりの間にはすでに愛情が芽生えていたらしい。
恋人に何もつげず消えた男が、数年後に突然あらわれる。
ヨリを戻そうとして。
どんな女だって、その身勝手さに怒るだろう。
しかしマイケル・コルレオーネは、誰も強制したりしない。
ただ、断れない申し出をするだけだ。
実生活でも、キートンとパチーノはついたり離れたりを繰り返すが、
その甘さと苦さが、この陰鬱で壮大な叙事詩に滲んでいる。
……とまあ、思わず感情移入して書いてしまいましたが(笑)、
『ゴッドファーザー』が、ドンパチするだけの単純なギャング映画でなく、
女と男をめぐる物語であることを、お分りいただけましたか?
それでは皆さま、「貸出中」になる前にレンタルビデオ屋さんに急ぎましょう!
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