鏡のなかのマリオネット ― かしゆか頌

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おれはふたり兄弟の長男だった
たがいの人格を否定するかのような壮絶な殺しあいケンカをへておとなになった
ストリートファイターⅡでまけたらコントローラをなげつけてリアルファイト
そんなだから妹ってやつにあこがれがある
元気でかわいくて、あまえんぼで
ときに母親のように兄をさとしたりして
「もう、おにいちゃんってば!」
数年前、弟が結婚したためおれには義理の妹ができた
ぜんぜんうれしくない
ちがうんだ、妹ってのはそうじゃないんだ



歌手はじぶんのからだを共鳴させて歌声をひびかせる
その秘密には諸説あるけれど、なんにせよクラシックの声楽家のおおくはふとっている
そして歌手としてかしゆかはほそすぎるような
そのせいかどうかはしらないが、ライブでは声量のよわさがでることが
かの女のきびきびとしたダンスも、みているとふと不安になる
あのからだに十数曲のセットリストをこなすカロリーをたくえわえられるのだろうか
ほほえんでるけどほんとうはつらいんじゃないかな?
たかいヒールであんなステップをふんだら、足の骨がぽっきりおれてしまうんじゃ?
外反母趾にならないかな?
みためは優雅でも、水面のしたでは足をじたばた
マリオネットがおどる白鳥の湖

わたしは兄がいるんですけど、福山雅治さんにあこがれて歌をやりたいといって、
体験レッスンとかをたくさんうけているときに、わたしはひまだったのでぼーっとしていたら、
母に「あんたもいっしょにうけたらどう?」といわれて、おまけでうけていたんですよ
べつに歌手になりたいとか、だれみたいになりたいというのはとくになかったんですよ


福山がすきな兄がいなかったら、いまのかしゆかは存在しなかった
おにいちゃんのあとについていってるうちに迷いこんだショービジネス
ほかのふたりのちびっこ時代とはずいぶんちがう
あ~ちゃんはモデルをやってかわいい服で写真をとられて
のっちは歌手になるというあつい野望をそだてていた
プロっぽくなくてがっついてなくて、どこかふわふわ
そんなかしゆか





初演のPSPSのパーフェクトパフォーマンス
ポニーテール!ポニーテール!ポニーテール!
きっと世界中のどんな馬よりもしっぽがゆれている
ハルヒのオープニングとかそういうアニメやCGの領域だ
生身の女性がそこでうたいおどっているとはしんじられない
高度なスキルを、プロっぽくみせずにかわいいかんじで表現する
とんがったダンスミュージックをしたしみやすいポップスとしてきかせる
それがPerfumeのPerfumeらしさ
カタギのお嬢さん風のかしゆかがいてこそ自然体の白鳥の湖になる
もしかの女がメンバーにいなかったとしても、Perfumeは成功していたかもしれない
でもそれはふつうのアイドル、アーティストになっていたにちがいない
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苑田 謙

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