アレン翁の収支計算 ― 「タロットカード殺人事件」

タロットカード殺人事件 [原題:Scoop]
出演者:ウディ・アレン ヒュー・ジャックマン スカーレット・ジョハンソン
監督:ウディ・アレン
2006年 イギリス・アメリカ

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以前、外国で映画をとると優秀な作家でもみなだめになるということを書いたが、だれもがしるニューヨークローカル映画作家のウディ・アレンは、70才にしてロンドンで映画をとりはじめた
しかも本人にとってなんら縁のないはずのイギリス階級社会をネタにするという無茶ぶり
どうも事情は金らしい

アメリカのスタジオがキャストや脚本にまで口をだすようになったのが気にいらないとか
アレンが年をとってわがままになったのかもしれないし、アメリカの映画製作状況がそれだけわるくなっているのかもしれない
おれは業界内の事情などなにもしらないが、若造の映画屋連中が40年の偉大なキャリアをもつ作家にさんざん無礼をはたらいたんだろうな、となんとなく想像がつく
ゲージュツに理解があるのか、好景気のせいかはわからないが、くもり空の街がかれをうけいれた
師匠・ベルイマンの珍妙なパロディ(死神)もあって、ここにゲージュツ作品が完成しました

出演はヒュー・ジャックマンとスカーレット・ジョハンソン
どちらもおれはきらいだ
カンガルーの大陸からきたジャックマンは愛嬌がなくてつまらないし、ジョハンソンの価値ははっきりいっておっぱいだけだとおもう
そのおっぱいも整形手術によるものとうわさされてるらしい
本作ではぼやき漫才のアレンにたいするつっこみ役をまかされたわけだが(大役だ)、発声に抑揚がなく、ただがみがみとうるさい
吉本興業にはいって修行しなおせといいたくなる
アレンはそんなジョハンソンにぞっこんらしく、三連続でヒロインに起用
ダイアン・キートンやミア・ファローにつづく第三のミューズ(苦笑)登場、と批評家筋では評判だ

だがしかしこれも金だ
ジョハンソンはほとんどノーギャラで出演してるはず
アレンは女優をきれいにとってくれるし、箔もつくし、だれだってかれの映画にでたがる
名前だけはりっぱな役者がタダででてくれるのだから、こんなにありがたい話はない
おっぱいがすきとか、ユダヤ系だからとかの理由でジョハンソンをじっさいに気にいってるのかもしれないが、冷静に算盤をはじきながら映画をつくっていることもまちがいない
そして本作ではかの女に最高にださい眼鏡をかけさせて、演技のアクをぬくことに成功
すきな女優だったらいかりくるうところだが、この場合はこころやすらかに鑑賞できた
酸いも甘いもかみわけたベテラン作家の手練手管をたのしめる作品だ
まぬけな邦題だけは気にくわない

[早稲田松竹にて鑑賞]
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苑田 謙

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