クマノイ『女子中・高生のイラストブック』

 

 

女子中・高生のイラストブック かわいい制服と小物200アイテム

 

著者:クマノイ

発行:日貿出版社 2018年

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『リメインズ・JC』などで知られる作家による、学校制服イラスト集だ。

これまで僕は、上月さつき『制服嗜好』を座右の書としてきたが、

本書は画集としての魅力と、技法書としての利点がある。

 

たとえば、カーディガンの袖の長さを今風にみせるには、

「ブレザー:カーディガン:スカート=7:1:2」にするといい。

パルテノン神殿の黄金比みたいだ。

たしかに女子中高生は、現代の神にちがいない。

 

 

 

 

ブレザーとカーディガンとネクタイが層をなし、複雑なフレーバーをかもしだす。

ボタンをはづすと、襟のところに影ができやすいとか。

細部へのこだわりに舌をまく。

 

 

 

 

衣服の描写で要となるのがシワだ。

ただし中学セーラー冬服などでは、あまりシワを描きこまない方がリアル。

重くて厚みのある生地だし、中学生は成長をみこして大きなサイズを着るから。

 

 

 

 

ボレロについての説明を引用する。

 

中学でよく見られる。

高校ではブレザーなどに置き換えが進み、絶滅危惧種となっている。

下にジャンパースカートを着る組み合わせが非常に多い。

高校でボレロを採用している学校は、ミッション系など私立が多く、

中学の素朴なものより凝っていておしゃれなものが多い。

 

生物学者の様に淡々とした記述だが、

ひとつの文化が滅んでゆくことへの嘆きもまた感じられる。

 

 

 

 

たとえばボレロの制服が印象的な、仲谷鳰『やがて君になる』を読むとき、

以上の背景知識がより感興をふかめてくれるだろう。

 

 

 

 

靴や鞄などの小物も充実している。

ナイロンのざらざらした質感、金具の光沢。

おでこを出した髪型がマジメそうな雰囲気をつたえるけれど、

ちょっとチャックがひらいてて、女の子らしい可憐さをのこす。

 

 

 

 

すっきりしたシルエットと、シンプルな塗りと、ほどよいシワの描写と、

ナチュラルな表情が織りなす、愛らしくも神々しい女学生たち。

リュックの肩紐をセーラーの襟の下にかけた女の子を、今度街で探そうかな。





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苑田 謙

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