『スロウスタート』第7話
スロウスタート
監督:橋本裕之
7話絵コンテ:舛成孝二
7話演出:篠原正寛
原作:篤見唯子
シリーズ構成・7話脚本:井上美緒
脚本:井上美緒、山下憲一
キャラクターデザイン:安野将人
音楽:藤澤慶昌
アニメーション制作:A-1 Pictures
放送期間:2018年1月‐
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7話は、栄依子が誕生日をむかえる。
トレードマークのヘアピンをみんなから贈られ、頭がにぎやかに。
榎並先生がくれたのは、手持ちのゼムクリップ。
したたかな栄依子は即興でハートマークに変える。
Bパートは推理もの風にはじまる。
ある朝先生が自宅で目覚めると、異変がおきていた。
教え子である栄依子が、かわいい服を着て床で眠っている。
両手を縛られたまま。
いったいなにがあったのか。
栄依子の證言により、真相が判明する。
先生は友人と飲んだ帰りに栄依子と出くわし、マンションまで送ってもらった。
泥酔してたとは言え、教え子に介抱されたとはみっともない。
栄依子はブアイソな先生に興味津々で、やたらちょっかいを出し、からかう。
冠もそうだが、「自分」をもっていて、芯の強いタイプが好きらしい。
人当たりがよくて、つい他者の期待に応えすぎ、
流されがちな彼女にとって、うらやましい性格だから。
先生は栄依子を嫌いではないが、可愛げがないとおもっている。
高1にしては言動が大人びすぎ、あつかいづらい。
でもそこは亀の甲より年の功、帰りぎわの栄依子に「接触」し、意表をつく。
衣擦れの音のエロティシズムは、百合アニメの醍醐味。
栄依子役の嶺内ともみはド新人だが、達者な演技に舌を巻く。
沼倉愛美との心理戦は、見ごたえ聞きごたえたっぷり。
ぬーさんは、『ハナヤマタ』で豊口めぐみとぶつかり合った様に、
今度は新人に胸を貸している。
アニメっていいなとおもわされる。
情動はさらに昂まってゆく。
栄依子は、先生がつけているネックレスに目をとめる。
それは、アクセサリー制作が趣味の栄依子がつくったもの。
母が経営する雑貨店で、たまたま先生は買ったらしい。
こんな偶然って、あるんだな。
とにかく、めちゃくちゃうれしい。
栄依子の感情がどっと心に流れこみ、花名はおもわず泣き出す。
全然大事件じゃないし、自分は直接関係ないのに。
だからこそ、この涙はうつくしい。
自信家ぽくて、話が上手で、だれとでも仲良くなれる栄依子だが、
本当に自分が好きなものを人に知られるのは恥づかしかった。
隠してたつもりはないが、言えなかった。
でも、花名には言えた。
正反対とおもわれたふたりは、実は似たもの同士だった。
こちらは若手声優の、瑞々しいアンサンブルをたのしめる。
名作『ハナヤマタ』に匹敵する、心洗われるエピソードだ。
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