『そしてボクは外道マンになる』2巻に鳥嶋和彦登場

 

 

そしてボクは外道マンになる

 

作者:平松伸二

掲載誌:『グランドジャンプPREMIUM』(集英社)2016年-

単行本:ヤングジャンプコミックスGJ

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初連載ながら成功した『ドーベルマン刑事』は三年めに入り、

担当編集者が後藤広喜から、鳥嶋和彦へかわる。

のちに伝説の編集者と称される鳥嶋だが、当時はまだヒットを飛ばしてないはず。

 

ジャンプ編集部における不和がそれとなく描かれる。

70年代のジャンプは、本宮ひろ志的な熱血路線まっしぐらであり、

ヴィジュアル重視の鳥嶋は不遇をかこっていたとか。

なお集英社における世代間抗争は、西村繁男『漫画王国の崩壊』にくわしい。

 

 

 

 

鳥嶋は尋常でない毒舌家だった。

初対面の作家にむかい、師匠である中島徳博の『アストロ球団』をバカにしたり、

カラーイラストが暑苦しすぎてセンスないなどと、言いたい放題。

 

誇張もあるにせよ、インタビューなどでつたわる鳥嶋の人柄からそう遠くない。

 

 

 

 

鳥嶋がかんがえたテコ入れ策は、ハードな『ドーベルマン』のラブコメ化。

平松は、新キャラである婦警さんのデザインをすることに。

ここで伝説の「ボツ地獄」がはじまる。

 

いかに作家に無駄弾を撃たせて、いかに何度もダメ出しをして、

最後には作家に「自分は他人よりなにが優れているか」を悟らせるか、

これに尽きるんだね。

 

編集の側から「こうすればいい」とサジェスチョンしても、

結局は作家の身にならない。

作家自身に自分で気づかせる以外にないんです。

ということは、編集の仕事は短時間に的確にダメ出しを

繰り返すことに尽きるんだよ。

まあ、技術論のレベルでの指導もしていくわけだけどね。

 

対談での鳥嶋の発言

 

鳥嶋による冷酷なダメ出しの連続は、戦略的なもの。

徒弟制度風だった漫画編集の仕事をモダナイズしたのが、彼の功績だろう。

 

 

 

 

結果、不振だった『ドーベルマン』の人気は復活する。

話してみると、鳥嶋が意外と人情を解するのもわかった。

 

以降の鳥嶋の業績を箇条書きすると、こんな感じ。

 

・鳥山明や桂正和などの漫画家を発掘

・「ジャンプ放送局」「ファミコン神拳」などの企画ページを編集

・ジャンプ作品をアニメやゲームとクロスオーバーさせる

・漫画単行本を洗練されたデザインへ変更

・『ドラゴンクエスト』『クロノ・トリガー』の座組を準備

・『Vジャンプ』創刊

・低迷期のジャンプの再建

 

日本のサブカルチャーにおける、最大の貢献者かもしれない。

 

 

 

 

鳥嶋はいま、白泉社の代表取締役社長をつとめている。

平松が自伝漫画の内容をチェックしてもらいにゆくと、

いい年して相変わらず毒舌だったとゆうオチがつく。





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