オレならこう撮る ― 『スラムドッグ$ミリオネア』

 

スラムドッグ$ミリオネア

Slumdog Millionaire

 

出演:デーヴ・パテール フリーダ・ピントー アニル・カプール

監督:ダニー・ボイル

制作:イギリス 二〇〇八年

[ユナイテッドシネマとしまえんで鑑賞]

 

 

 

まず、邦題の「$」が気にいらない。

アメリカの通貨記号ではないか。

米国人がでてくるのは一瞬で、しかも通りすがりの観光客。

インド・ルピーをあらわす、「Rs」にかえるべき。

もしくは、本作はおもにイギリス資本でつくられ、

監督と脚本家もイギリス人だから、「£」でもよい。

『スラムドッグ£ミリオネア』。

あれ、なんかしつくりこない。

ところでみなさん、みのもんたが司会をつとめる例の番組、

構成をあみだし、ライセンスを世界中にうつているのが、

イギリスのセラドール社(本作の制作も担当)だと、知つてました?

ボクはてつきり、アメリカうまれの番組なのかと。

それでも、『クイズ$ミリオネア』。

「$」という記号は、金銭的欲望の象徴つてことか。

まあ、総製作費1500万ドルのうち500万ドルを、

ワーナー・インディペンデント(完成間近に閉鎖)が負担しただけなのに、

本作を勝手に「アメリカ映画」とみなし、オスカー像を大盤ぶるまい。

そんなアカデミー会員の図々しさをおもえば、

意外と似合いの命名かもしれない。

 

 

 

オレはカレーは大好きだけど、それ以外のインドには無関心。

インド経済、インド文化、インド哲学。

よくわからない。

珠のように愛くるしい、女の子の笑顔をながめるのは楽しいけれど。

実際にムンバイのスラムにすむ子どもたちを起用して、

「インドの現実」をうつしだす、というのが本作の売り。

でも、なんかウソくさい。

英語をはなせるインド人は、中流階級以上だときくが(参考:『インド新聞』)、

この映画のスラムの子犬たちは、オレより百万倍上手にはなす。

それに、主役のジャマールの青年時代を演ずるデーヴ・パテールは、

ロンドンうまれのイギリス人。

濃い顔のマッチョがもてはやされるインドでは、

線のほそいインテリ青年をみつけられなかつた。

女主人公に扮するのは、ファッションモデルのフリーダ・ピントー。

無駄にゴージャスな、典型的インド女優とは毛色がちがう。

ダニー・ボイル監督がつくつたこのカレーは、

西洋人の口にあうよう、香辛料をかなり減らしている。

わりと辛いもの好きのオレには、ものたりない。

 

 

 

それでは三文ブロガー・ケンが、この映画をつくりなおします。

まずは舞台を、ウクライナに変更。

いや、ウィキペディアのクイズ番組のページをよんでいたら、

ウクライナ版のルールについての記述をみつけまして。

 

ウクライナ版

 

「オーディエンス」ライフラインが存在しない。

その理由は、観客たちがうその解答を教えて

解答者を騙すためである。

 

ウィキペディア 『フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ア・ミリオネア』

 

解答者を妨害するウクライナ人!

「美人がおほい」くらいしか、この国のことを知らなかつたが、

しらべてみると、ムンバイのスラムが楽園におもえた。

キエフ在住の「cossack_ua」さんのブログから、引用させていただく。

 

私の前の彼女(日本在住ウクライナ人)は、

日本にいながらを食べなかった。

理由は初めて食べたときに

お腹痛くなったかららしい・・・

日本人なら一度おなかが痛くなっても、

もう一度トライしただろう!

今から思えばこのモト彼女も

典型的なウクライナ人の性格だ!


『キエフに住んでる生きてるウクライナのブログです!』

 

これなぞ序の口か。

たとえば、かの国で手術をうけるときは、メスからなにから、

手術道具を患者が全部そろえる義務がある。

滅多に病気にもなれない。

家をたてるときは、ノコギリや釘を大工のために用意するのが常識。

あつというまに、大工にぬすまれるが。

参考:『縁の花』第221号「ウクライナ国との縁結び」

あいた口がふさがらないが、ネタとしてはおいしい。

現地の美女を大量出演させつつ、

意地悪な観客に解答者がいじめられる、ドタバタ喜劇にしあげる。

ウクライナ風味の、『スラムのミリオネア』(邦題)。

お気にめしますでせうか?


テーマ : 映画感想
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TB返させて頂きました

私も、「$」が気に入らなかったですw
これ、原題かと思ってたのですが、邦題だったんですね。
原題のままで良かったと思いますね〜。
ウクライナ版ミリオネア、面白いですね!
色んな国の『ミリオネア』を考えてみるだけでも、暫く楽しめそうです☆

bakabrosさん、おはようございます!

わざわざコメントまで、ありがとうございます。

映画の雰囲気を壊さないような、
いい感じの邦題をつけてもらいたいですね。

ウクライナ版ミリオネアの話は、ちょっとふざけすぎましたが、
面白がっていただけてよかったです。

日本版なら、実は裏で賞金を着服していた「みのもんた」を、
生放送中に告発する、みたいなストーリーにしようかな。

観ました〜っ

確かに、英語を話す彼らは気になったです…。
でもこの間の『ワルキューレ』で
ソレも鈍ってしまいました…;;;

ん〜、絶賛してしまった私。
ちょっと浅はかだったかな。
でも映画としてはとても熱くて好きでした。
映画ってこうあるべき!!そう思えました。

ちょっと甘口映画レポですが、TBさせてくださいっ!

なるはさん、こんばんは!

コメント&TB、ありがとうございます!

「浅はか」なんて、とんでもない。
「辛口じゃないからダメ」みたいな書き方をしましたが、
「甘口のカレー」があってもいい、とは思うんですよね。
映像や音楽は本当にすばらしかったですし、
なんだか評価が難しい映画です。

こんばんわ。

観てからコメントするのが大分遅れてしまいましたが・・・

非常に楽しんじゃいました。
パワー溢れる映画観たってかんじで、
元気になります。

炭酸さん、おはようございます!

先日のチャットでは、ありがとうございました!

インドの町が持つエネルギーが満ち溢れていましたね。
批判的な記事を書いていますけど、
「すごい映画だな」と圧倒されたのも事実です。
ただいくつか傷があって、惜しいとも思いましたね。

No title

ケンさん(^^)こんばんは!
自分の所にコメントを戴きましてありがとうございます。
大変、恐縮でございます。

自分もこの作品、期待してしまったせいかあまりパッとしなかった印象です。
何というか、面白かったのですが心にズドンと響かなかったという感じで、まぁ普通の作品という捉え方になってしまいました。

ケンさんの記事を読ませて頂きましたがとても面白いです。(^^)
ウクライナの番組については興味深く読ませて頂きましたよ。

それと他の映画の記事もじっくり読ませて頂きました。 ケンさんの視点とバッサリ斬る辛口のレビュ−が気持ちいいくらいで、とても面白かったです。(^^)

そんなケンさんに相互リンクのお話まで戴き、自分としてはとても光栄な思いです。というか、自分もリンクをお願いしたいと思っておりました。
是非、お願いいたします。
自分もリンクしておきますね!

そしてこれからも宜しくお願いいたします。(^^)

本当にありがとうございます。(^^)

ユウ太さん、こんばんは。

コメントありがとうございます。

たしかに出来は普通なんですけど、
普通じゃない映画であるのも事実ですよね。
観たのは4月ですが、レビューを書くのに苦労した覚えがあります。

ブログとかで辛口批評をする人を見ると、
「ならアンタはどんな映画を作れるのさ?」と言いたくなりますが、
その発想で書いてみたエントリです。
妙チクリンな映画ができましたが(笑)。

リンクが光栄だなんて、勿体ないお言葉です。
こちらからもリンクをさせて頂きました。
ありがとうございます。
これからもよろしくお願い致します!
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