平松伸二『そしてボクは外道マンになる』

 

 

そしてボクは外道マンになる

 

作者:平松伸二

掲載誌:『グランドジャンプPREMIUM』(集英社)2016年-

単行本:ヤングジャンプコミックスGJ

[ためし読みはこちら

 

 

 

最近はやりの自伝漫画だが、『ドーベルマン刑事』での連載デビュー以来、

43年のキャリアをもつ平松伸二が作者なのだから興味をそそられる。

プレ黄金期の『週刊少年ジャンプ』の内幕をつたえる、貴重な證言でもある。

 

 

 

 

作者独特の誇張表現のおかげで、編集者はみなヤクザみたくおっかない。

まだ出版業界で漫画がみくびられてた頃の、男たちの鬱屈があらわれている。

 

 

 

 

ドーベルマン第2話は、ホテルにカンヅメになって制作。

20歳になったばかりの平松は、年上のアシスタントたちに翻弄される。

 

 

 

 

新人作家としては、週31ページを仕上げる実作業だけで精一杯で、

アシスタントの内面をおもんばかる余裕などない。

締め切り間際におきた叛乱をどうにか鎮めようと、土下座して作業続行を乞い願う。

 

 

 

 

編集部をおとづれたら、先輩作家の本宮ひろ志がいた。

学ランに下駄履き、日本刀をふりまわして暴れる。

「テメエらは漫画家に対する敬意が足りない」と叫びながら。

 

70年代における本宮の影響力の大きさがわかる。

 

 

 

 

以上の誇張表現は、逆説的に題材の地味さを物語っている。

フツウに描いたら、漫画家の人生なんてマンガにならない。

 

つまり本作のドラマは、主人公の内面にこそある。

岡山の農村で生まれ育った平凡な青年が、いかにして「外道」に目覚めたか。

なぜ極悪人や暴力に惹かれてしまうのか。

 

まあそんな裏読みも、超ベテラン作家が仕掛けるフェイクかもしれないけど。





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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

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苑田 謙

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