仲谷鳰『やがて君になる』4巻

 

 

やがて君になる

 

作者:仲谷鳰

掲載誌:『月刊コミック電撃大王』(KADOKAWA)2015年-

単行本:電撃コミックスNEXT

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

20-22話は、生徒会劇のための合宿がえがかれる。

さっそく20話から入浴シーンで、読者の期待にこたえる。

 

侑・燈子・沙弥香が、三角関係を大浴場へもちこむ。

先輩ふたりは、たがいの視線を意識してもたつくが、

サバサバした性格の侑はすぱっと服をぬぐ。

 

 

 

 

中学時代ソフトボールにうちこんだ侑は、「合宿とか慣れてるから平気」と言うが、

内心では裸や下着姿をみられるのも、みるのも、恥づかしくてしかたない。

だからこそ、ためらいを表にださず先手をうった。

策士なのだ。

 

下着はあんがい地味。

どうも仲谷鳰はファッションに関心うすいらしい。

スカートの襞や髪のみだれに、命をかけるタイプじゃない。

 

 

 

 

侑の小ぶりな胸をみて、「思ったよりある」と妙な感動にひたる燈子。

たわいないけれどたのしい、青春の1コマだ。

 

 

 

 

ストーリーは梅雨前線みたく停滞している。

本作にドラマチックな進展を期待しても、無益かもしれない。

季節のうつろいにともない、すこしづつ変容してゆく、

雑誌の表紙の様にうつくしい肖像の数々を、僕たちは鑑賞する。

 

 

 

 

22話はひさしぶりのイチャイチャ。

燈子は侑の唇をもとめつつ、自分のことを好きになるなと言う。

わたしの好きなひとが、もしわたしの嫌いなもの、

つまりわたし自身を好きだったら、好きでいられなくなるから。

 

聡い侑は、こんがらがった心理をつかみ、うけいれる。

だが不毛な関係に、そろそろけりをつけるべきとおもい、眉をかすかにひそめる。

 

 

 

 

167ページ。

本作において決定的に重要なモノローグが、子供じみたセリフで掻き消される。

たえがたいほどの空虚感が読者をおそう。

 

そしてこの面持ち。

僕は、類語辞典などをもちいて文章を書いているが、

ここの感情表現をどう言語化すればよいのか途方にくれる。

仲谷は表情をえがく天才だと、みとめざるをえない。





関連記事

テーマ : 百合漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合 
最近の記事
記事の分類
検索とタグ

著者

苑田 健

苑田 健
漫画の記事が多め。
たまにオリジナル小説。

Twitter
メール送信

名前
アドレス
件名
本文

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
月別アーカイヴ
10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03