冬目景『空電ノイズの姫君』

 

 

空電ノイズの姫君

 

作者:冬目景

掲載誌:『月刊バーズ』(幻冬舎)2016年-

単行本:バーズコミックス

[ためし読みはこちら

 

 

 

デビュー25年のベテランの新作は、意外にもバンドもの。

セーラー服のギタリスト「保坂磨音(まお)」が主人公だ。

5歳のとき両親が離婚して、いまは父とふたり暮らし。

ミュージシャンである父からギターを習ったので、クラッシックロックが得意。

 

 

 

 

音楽雑誌の編集者をしている父の恋人と、車内で話す。

マオはギターが好きだが、職業にする気はない。

父をちかくで見て業界の大変さをわかってるから。

 

冬目景の作風は抑制的。

父の恋人との関係なんておいしいネタだが、

会話の空気感から関係性を汲み取れと、そっけなく読者に提示する。

テーマが「JK×バンド」でも、あずにゃんペロペロ的な方向とは真逆。

繊細で、しっとりした感触。

 

 

 

 

こちらは「支倉夜祈子(はせくら よきこ)」。

『羊のうた』の千砂に代表される、吊り目で黒髪ロングのキャラクター。

作者の十八番だ。

歌が上手なので、いづれマオとバンドを組むことになりそう。

 

 

 

 

とびぬけた美貌を妬まれた夜祈子は、イジメに遭う。

靴を隠されたりノートを破られたり、手口が昭和っぽい。

夜祈子はSNSをやってないので必然的にそうなる。

 

冬目作品の反時代性は、超時代的だ。

ただし本作は、アナクロニズムをトリックにつかうなど一筋縄でゆかない。

 

 

 

 

とぼけた雰囲気の女子の日常は『イエスタデイをうたって』に、

ファム・ファタールがひとびとを翻弄するのは『羊のうた』にちかい。

幻想性はひかえめで、初期の傑作群を髣髴させる。

冬目景のセーラー服には、だれもかなわない。





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