柴田燕ウ『はるかぜ ちょーじょーぶ!』/比嘉史果『真昼の百鬼夜行』

 

 

柴田燕ウ/祁答院慎『はるかぜ ちょーじょーぶ!』(ファミ通クリアコミックス)は、

最初のページからショートカットの女子高生が全力疾走する。

「いったいなにが起きてるんだ?」と気になる。

 

 

 

 

中学時代に陸上競技で活躍した「春風涼美」は、

運動部から勧誘されるも、とびぬけた俊足なのでたやすく振り切る。

スポーツは得意だが嫌いらしい。

 

 

 

 

隠れ場所になりそうなドアを見つけ、中へはいる。

その怪しく装飾された部屋は、「超常現象研究部」の部室だった。

 

「なんて帰宅スピリットの持ち主なの!?」の一言で主人公を引きずりこむ、

くろは『帰宅部活動記録』に比肩しうるほど巧みなオープニングだ。

ただし第2話以降は、1話完結スタイルのオカルト話がつづき、

せっかくの初速が急にスローダウンする。




 

 

 

 

比嘉史果『真昼の百鬼夜行』(ビームコミックス)は、

現代日本を舞台とする妖怪もので、各話が独立した連作だ。

この作品世界では、人間と妖怪が共存している。

第1話は動物園の獣医師と、予知能力をもつクダンの交流をえがく。

 

 

 

 

2話は人の心をよむサトリが、鳥獣保護センターの事務職員にちょっかいを出す。

スマホでしか他者とつながれない、現代文化のおかしさを風刺するエピソード。

 

 

 

 

7話は気象予報士と、雨を降らせる鵺の戦い。

なんでも予想可能とおもいこむ、利口ぶった人間たちを皮肉る。

 

比嘉史果はこれが初単行本。

かわいらしいがちょっとクセのある絵柄で、細部の描写もおもしろく、

不思議だけどホッとするファンタジックな日常をえがきだす。

でも僕は、連作形式があまり好きじゃない。

娯楽がとぼしかった手塚治虫や藤子不二雄の時代ならともかく、

いま1話完結スタイルをとる意味ってあるのかな。

たとえば妖怪探偵の女子高生が、さまざまな怪事件を解決しながら、

徐々にあきらかとなる陰謀にたちむかうストーリーとかの方がよくない?

 

 

 

 

読者としては、やはり血湧き肉躍るストーリーで手に汗握りたい。

アクティヴに飛んだり跳ねたりしてこそ、美少女はかがやくから。




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