仲谷鳰『やがて君になる』3巻

 

 

やがて君になる

 

作者:仲谷鳰

掲載誌:『月刊コミック電撃大王』(KADOKAWA)2015年-

単行本:電撃コミックスNEXT

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

『やがて君になる』には、百合漫画の長短がわかりやすく表れている。

短所から言うと、叙情的な雰囲気に流され、内容が乏しいこと。

電撃は今月に百合アンソロジーを刊行するなど、

最近掘り当てた百合とゆう乳白色の鉱脈に力をそそいでおり、

その看板コンテンツである『やが君』が長期連載となったのが、

ストーリーの希薄化に影響しているとおもわれる。

 

百合漫画は俳句や短歌やパンクロックみたいなもので、

短ければ短いほどよいのだけど。

 

 

 

 

梅雨といえば相合傘。

13話はただそれだけの回だ。

どっちが傘をもつかで言い争いとなり、バカらしくなってふきだす。

いかにも打ち解けた表情のすばらしさ。

 

 

 

 

軒先で雨宿り。

仲よくベンチにすわって燈子の体温を感じた侑は、手を重ねようとする。

恋愛に興味はないが、肉体的接触によわい。

でも自分から相手にさわることの「意味」をかんがえ、ひっこめる。

 

これが百合漫画の長所だ。

宙をさまよう指先が、人生の真理をあきらかにする。

 

 

 

 

メインのふたりが煮え切らない関係をつづける一方で、

作者はサブプロットで百合色を濃厚にするとゆう手法をとる。

箱崎先生が女の恋人と同棲しているとか。

 

 

 

 

一種の恋敵である沙弥香は、中学時代に女の恋人がいたとか。

レズカップルマシマシの、狂い咲きの百合空間だ。

 

 

 

 

15話、体育倉庫で燈子がひさしぶりに侑の唇をもとめる。

最初は侑もうれしそう。

普段はつれない態度だが、キスそれ自体はすきだから。

つづけて2回め。

侑の表情がこわばる。

ガツガツと貪られるといやになる。

まるで恋人同士みたいだから。

唇をぎゅっとむすび、燈子をつきはなす。

 

 

 

 

唇をかさねるときの横顔だけで、響きわたるシンフォニー。

仲谷鳰が偉大なコンポーザーなのは、どうにも否定できない。





関連記事

テーマ : 百合漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合 
最近の記事
記事の分類
検索とタグ

著者

苑田 健

苑田 健

掲示板『岩渕真奈 閃光の天使』
も運営しています。

Twitter
メール送信

名前
アドレス
件名
本文

カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
月別アーカイヴ
04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03