マウンテンプクイチ『球詠』

 

 

球詠

 

作者:マウンテンプクイチ

掲載誌:『まんがタイムきららフォワード』(芳文社)2016年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

ためし読み/同作者の『ぷくゆり』の記事

 

 

 

女子高生ふたりが、夜の川岸でキャッチボール。

硬球を素手で。

幼なじみが高校で偶然再会し、また野球をはじめた。

 

ちなみに水辺の風景のうつくしさは、作者の特長

 

 

 

 

髪があかるくて長い方が、ピッチャーの「詠深(よみ)」。

大きく曲がって落ちる、特異な変化球を投げる。

 

 

 

 

ヨミが中学で無名だったのは、捕球できるキャッチャーがいなかったから。

それどころか「魔球」へのこだわりを嫌われ、部内で孤立していた。

 

思春期女子らしい内面の陰影の描写は、

百合姫コミックスから単行本2冊出している作者ならでは。

 

 

 

 

中学時代に全国経験もある「珠姫」は、最適の女房役となる。

おさないころの様に、ヨミの自由奔放な投球をうけとめる。

キャプテンの「怜」をキリキリ舞いさせた。

 

 

 

 

仲間をあつめて野球部を再建し、部内の対決で実力をみとめさせ、

9人そろってすぐ強豪校との練習試合にいどむ、スポ根定番の流れ。

ヨミと珠姫のバッテリーが中心の物語だが、

野手の守備での貢献など「チームプレー」を重視してえがく。

 

 

 

 

作中に「4000校あまりの頂点をめざす」とあるが、

実際の全国高等学校女子硬式野球連盟の加盟校は23しかない。

つまり本作は、「女子野球」を題材とする漫画ではなく、

男子の高校野球を性別だけ改変した「ファンタジー」だ。

 

本格的な野球の描写と、可憐な少女の取り合わせはやたら新鮮。

たとえばお尻へのデッドボールのエロス。

 

 

 

 

言うまでもなく野球漫画は一大ジャンルを形成している。

「キメのポーズ」などのストックが豊富で、

登場人物をカッコよくみせる手法にこまらない。

マウンテンプクイチはその伝統を、百合と融合させるのに成功した。

 

 

 

 

手塚治虫が『マァチャンの日記帳』でデビューしてから70年。

『球詠』は、漫画とゆう表現形式のひとつの完成形と断言できる。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合  きらら系コミック 
最近の記事
記事の分類
検索とタグ

著者

苑田 健

苑田 健

掲示板『岩渕真奈 閃光の天使』
も運営しています。

Twitter
メール送信

名前
アドレス
件名
本文

カレンダー
02 | 2017/03 | 03
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
月別アーカイヴ
03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03