はまじあき『きらりブックス迷走中!』
きらりブックス迷走中!
作者:はまじあき
掲載誌:『まんがタイムきららMAX』(芳文社)2015年-
単行本:まんがタイムKRコミックス
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「鳴草書房」とゆう店名のとおり、ここは本屋なのに、
歌って踊れる店員さんのアイドルライブがはじまる。
サービスの一環らしい。
店が迷走する原因は、小学生の「えりぃ」が店長になったから。
11歳でアメリカの大学を卒業した天才だが、
出版不況のせいか経営はおもわしくない。
主人公は、大財閥の娘である「桐生院きらり」。
天然ボケがひどすぎるため、母親の指図で、
いとこのえりぃが経営する店へ、アルバイトとして修行に出された。
エロ同人誌の表紙を見て、相撲漫画と勘違いするなど、世事に疎い。
いとこ同士の関係がかわいい。
コミケ会場で年下のえりぃが、刺激が強すぎると、きらりに目隠し。
作者は『ドージンワーク』以来のきららファン。
芳文社への持ち込みをへて、連載を獲得した。
虫眼鏡をつかって粗探しする主人公から、4コマ愛があふれ出る。
「部活物にすれば大体いける」なんてメタ発言に、
きららファンはニヤリとせずにいられない。
本作はコテコテのきらら風味の4コマである一方で、
すでに完成し模倣されまくるきららメソッドに対し、批評的に接する。
メニューは豊富だけど、なにをオーダーしても安定のきららアイデンティティ。
可憐な絵柄でマイルドに中和される、スパイシーなあじわい。
このレーベル、しばらく繁盛はつづきそう。
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