北へ ― 北乃きい写真集『free×フリー×fri』

北乃きい写真集 free×フリー×fri

 

撮影:萩庭桂太

発行:講談社 平成二十一年

 

 

 

撮影隊が北欧へとんだのは、オーロラをとるためではなく、

アイドル写真集をつくるためだつた。

なにを勘ちがいしたのやら。

グアムやサイパンとはいかなくても、女の子をかがやかせるには、

もつと強い陽光が必要ではないか?

 

 

ま、まぶしい!

瞳の吸引力は、直視にたえないほどだし、

唇はぷるぷると、髪はつややかに、きらめく。

そして、この「はい、あーんして」的情景は、

かの女とのデートを疑似体験させてくれる、すばらしい趣向だ。

たかなる胸の鼓動。

いや、まて。

サラダくわすなよ。

しかも、コーン山盛り。

「野菜もちやんと食べなさい!」つて、あんたはオフクロか。

 

 

股ひらきすぎ。

これでも一応、アイドルの登竜門としてしられる、

「ミスマガジン2005グランプリ」受賞者です。

ヨコスカのあばれ馬は、北国でもかわらずたくましい。

本書は、その生態をおさめる貴重な記録だ。

 

 

 

 

寒中水泳大会?

水着すがたは写真集の見せ場だが、

心肺機能がとまらないか心配で、それどころではない。

ドブ色の水面をみているだけで、鳥肌がたつ。

アザラシを狩るホッキョクグマのようでもある。

 

 

街中でも、野生の本能をあらわにする北乃きい。

もはや人間にみえない。

口のひらき具合がものすごい。

ジャック・ハンマーのようでもある。

 

 

 

 

これがベストショットかな。

胸の谷間がのぞく、桃色のタンクトップ。

スタイリストがえらんだ素敵な衣装も、背中のハンガーで台なしだ。

じつとしていれば可憐な美少女だけど、

無抵抗の被写体のままではいられない。

かの女にとつて、「美少女」であることは、擬態のひとつにすぎない。

 

 

葉つぱをみれば、とりあえず頭にのせる。

タヌキ的カモフラージュ。

かわゆいといえば、かわゆいが、

見るものに「美」の基準の再検討をうながすような、違和感も。

頭に紅葉をのせることに、なんの意味があるだろう?

北乃きいのやぶれかぶれの即興演奏は、

古典的な約束ごとを無にかえながら、

太陽よりもまぶしく、異彩をはなつている。




北乃きい写真集 free×フリー×fri北乃きい写真集 free×フリー×fri
(2009/03/15)
萩庭 桂太(撮影)

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北乃きい主演の映画、『ハルフウェイ』についての拙文は、以下を参照のこと。


「157cmの暴君 ― 『ハルフウェイ』」


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