加藤コウキ/無義歩『餡さんぶるっ!』

 

 

餡さんぶるっ!

 

作画:加藤コウキ

原作:無義歩

掲載サイト:『コミック アース☆スター』(アース・スター エンターテイメント)2016年-

 

 

 

和菓子職人の娘で16歳の「星川星波(せな)」が、自作の「桜いちご大福」をふるまう。

ひとくち口にするだけで、春の訪れを感じさせる逸品。

 

JKと和菓子をたっぷり詰めこんだ、ひたすらスウィーティな物語のはじまり。

 

 

 

 

「アン・ルクレール」は、フランスからの留学生。

本国では見習いパティシエールだが、和菓子好きが嵩じてわざわざ来日。

 

 

 

 

和菓子店「瑞星庵」をひらいている、星波の自宅でホームステイすることに。

知り合ったばかりの他人のベッドに飛びこむ、天真爛漫な白人少女、

シーツの乱れが気になる、几帳面な大和撫子。

『ハナヤマタ』と似た構図だ。

窓からスカイツリーが見える、下町浅草のローカル性もいい感じ。

 

 

 

 

原作の無義歩は、アダルトゲームでキャリアを積んでおり、

主人公の内面を陰影もふくめ立体的に描こうとしている。

和菓子へのアンビバレントな思い、亡き母の記憶、ライバルとの確執など。

 

 

 

 

作画の加藤コウキは、『幻影ヲ駆ケル太陽』のコミカライズを担当した作家。

もともとセンスがよいが、本作はより自由にキャラクターデザインの才能を発揮する。

爆発してると言ってもいい。

僕が好きなのは、風をイメージしたと言う「景」。

人力車を引く仕事をしている、ちゃきちゃきの江戸っ子だ。

 

あと、主人公のチャームポイントであるハート型の髪留めは、

ツンデレの「デレ」の部分を象徴している様だ。

 

 

 

 

クラスメートの「仁乃」の父親はヤクザの組長。

キセルをくわえた母親の描写は、

いまどきギャグ漫画でも見ないテンプレ姐御だが、世界観におさまっている。

 

 

 

 

1巻時点での印象を言うと、プロットが弱いとおもう。

全体的に薄味だ。

たとえば『ハナヤマタ』なら、ヤヤとのケンカ・常盤姉妹の軋轢・ハナの帰国など、

葛藤がつねに提示され、青春の光と影を緊張感をもって描いていた。

また、主人公がツンデレだと話は転がらず、結局デレてばかりになりがち。

つまりどれだけ可愛くても、笹目ヤヤは主人公に向かない。

「店の存亡をかけて全国高校和菓子コンテストに出場!」みたくシンプルな話の方が、

荒唐無稽だとしても、加藤コウキの作風に合ってそうだ。

 

いろいろ注文をつけたのは、本作の題材が魅力的だから。

繊細かつ華やかな絵柄をみるだけで、和菓子の上品な甘い香りがただよう。

要注目作だ。





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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合  ハナヤマタ 
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