中山敦支『うらたろう』

 

 

うらたろう

 

作者:中山敦支

掲載誌:『週刊ヤングジャンプ』(集英社)2016年-

ためし読み/同作者の過去記事

 

 

 

0話でその旅立ちの場景が描かれた、15歳の姫君「平千代(たいらのちよ)」。

大自然とふれあいながら、生命を讃美する。

 

雑誌のアオリに「麻呂眉ヒロイン」とあるが、マブルゥを連想させる造形だ。

 

 

 

 

不老不死と噂される、800歳の仙人である「鬼人(きじん)」に会い、

その能力にあやかるのが、ちよの旅の目的。

 

鬼人初登場シーンの面妖さは、見開きの名人・中山敦支としても特筆に値する。

ナカヤマは2年間無駄飯を食ってたのではなく、研鑽をつんでいた。

 

 

 

 

あいもかわらず「死」を主題にえらぶ。

ナカヤマは、世界でもっとも藝のない作家のひとりだ。

ひょっとしたら断トツ1位かも。

 

 

 

 

ちよに付き従う「ジイ」が、一本ダタラとゆう化け物に無慙に食われる。

『ベルセルク』の「触」におけるピピンの最期を髣髴させる。

 

中山敦支は妙にストイックな作家だ。

好んで性愛を描くがセクシャルでなく、暴力を描くがグロテスクでない。

セックス&バイオレンスで読者を釣ろうとした試みは、キャリアのなかで皆無。

しかしこの新連載は、作風が幾分ひろがっている。

 

 

 

 

『ねじまきカギュー』がなぜ傑作なのか簡潔に説明するとしたら、

「ヒロインの内面とアクションを一致させたから」と言いたい。

本来ファイターにむかない内向的な少女の恋心とプライドが、

見開きで炸裂する瞬間の痛快さは、漫画史のランキングに残りつづけるだろう。

 

この新連載が前作を超えられるかどうか、僕にはわからない。

だってたとえば、作者が交通事故で死ぬかもしれないでしょう。

わかるのは、超えようとしている事実だけ。

 

 

 

 

ボーイ・ミーツ・ガールとほぼ同時の殺害予告。

口下手なカギューが本当は、カモに言いたかったセリフだったりして。

 

21世紀の日本の漫画家である中山敦支は、

『ねじまきカギュー』で『ロミオとジュリエット』の高みに達した。

褒めすぎに聞こえるだろうが、でも400年前の戯曲に負けるって情けなくない?

そして本作は、カギューのカーテンコールにつづけて掻き鳴らす、

最高に刺激的なアンコール曲だ。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 中山敦支 
最近の記事
記事の分類
検索とタグ

著者

苑田 健

苑田 健

掲示板『岩渕真奈 閃光の天使』
も運営しています。

Twitter
メール送信

名前
アドレス
件名
本文

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
月別アーカイヴ
08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03