『二ツ星の料理人』
二ツ星の料理人
出演:ブラッドリー・クーパー シエナ・ミラー ダニエル・ブリュール エマ・トンプソン
監督:ジョン・ウェルズ
脚本:スティーヴ゙ン・ナイト
制作:アメリカ 2015年
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予告篇をみて期待していた。
腕はあるが情緒不安定な料理人のアダムが、流れついたロンドンで店を開き、
ミシュランの審査員をアッと言わせ三つ星を獲得しようとゆう物語。
流浪のガンマンが活躍する西部劇みたい。
序盤は『七人の侍』に似ている。
ロンドンを練り歩き、くすぶっている職人たちを引き入れるプロットが。
ブラッドリー・クーパーの台詞に『七人の侍』が出てきてニヤリ。
よい物語はつねに古典的で、かつ独創的。
厨房はよく戦場に喩えられる。
この混沌のなかで最高のパフォーマンスをみせないと競争に敗れる。
短気なアダムはすぐ怒鳴り散らし、物を投げる。
サービスを仕切るトニーが参謀役。
無限に金と時間をかければ、だれでも旨いものはつくれる。
戦略立案し、資金をあつめ、宣伝し、縦割りの効率的な組織をつくり、
ビジネスの形を整えてはじめて、レストラン経営はなりたつ。
女料理人エレーヌ役のシエナ・ミラー。
しつこくせがまれて店を移ったのに、完璧主義者のアダムにきびしく責められる。
エレーヌは理不尽なふるまいに憤るが、徐々にふたりは心をかよわせる。
大人の恋愛が描かれる点は、『七人の侍』にない魅力。
エレーヌはシングルマザーで娘がひとりいて、このサブプロットも印象的。
子供の存在が、大人たちに精神的成長をうながす定番の流れだけど、
シビアな話の連続のなかで一息つける。
鑑賞後、アクション映画をみた様な爽快感をえた。
本作は「男の映画」と言ってよいだろう。
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