開戦 ― 第一節 ジェフ千葉 対 ガンバ大阪

 

J1 第一節 ジェフユナイテッド千葉 対 ガンバ大阪

 

結果:0-3 (0-1 0-2)

得点者:前半39分 レアンドロ

後半1分 明神智和 後半22分 宰溱(チョ・ジェジン)

会場:フクダ電子アリーナ

[現地観戦]

 

 

 

天の配剤なのかどうか、はじめての三月らしい陽気。

フクアリからながめる空は、いつだってうつくしい。

昨年のアジア王者をむかえての開幕戦だ。

大阪は先週、鹿島に三点差でやぶれるなど、あきらかに調整不足。

つけいる隙はある。

むしろけふこそが、かれらから勝ち点三をうばう最大の好機だ。

懸念すべきは、右サイドバックの加地亮がもどったこと。

加地はしぼりぎみにかまえ、左に山口智。

中央のふかい位置に、新加入のパク・ドンヒョクが壁をつくる。

変則的な3バックの網をはりつつ、機をみて加地は攻めあがる。

実につかみづらい。

右に精力的な加地亮、左に果敢なドリブルの安田理大。

このふたりのシーソーあそびが、ガンバ大阪の柔軟な戦術の源泉だ。

そして、百八十七センチのパクは、巻誠一郎に制空権をあたえない。

防衛線のまんなかに立ちふさがる韓国人をみていると、

西野監督がいたころの柏レイソルに君臨した、ホン・ミョンボをおもいだす。

すくなくとも守備においては、西野朗ごのみの布陣をえがき、

このチームはさらに進化したようだ。

 

 

 

イライラが募りはじめた前半二十五分、加地が負傷。

チョ・ジェジンと交代。

加地にはわるいけれど、オレはひそかにほくそえんだ。

むこうの守備がくずれるんじゃないか、と。

とはいえ、チョは清水での四年間で四十五得点した選手。

全軍の戦力はおちていない。

ルーカスが二列目に、橋本英郎が右サイドバックに。

すぐさま代表選手が穴をうめてしまう。

それにしても橋本英郎、なんでコイツはこんなに器用なんだ。

突然の配置変更にまごつくどころか、本職以上に役目をはたす。

そもそも、サイドバックの下平匠を投入する選択肢もあったが、

おしみなく前半から切り札がきられた。

そんな西野監督の前傾姿勢が、結局三得点をみのらせる。

一方わがジェフユナイテッドについては、特筆すべきことはない。

例の「フクアリの奇跡」であじわった美酒をわすれられない観客で、

スタジアムは満員だったが、いい酔いざましになったかもしれない。

奇跡は二度おこらないから、奇跡なのだ。

そしてまた、きびしい季節がはじまる。

 

 

 

今季から導入された「アジア枠」を利用するため、

ガンバ大阪はふたりの韓国人を獲得。

けふも四人の外国籍選手が同時に出場した。

一方の千葉は、オーストラリア人のボスナーがAFC加盟国選手なのに、

残るひとつの枠はあいたまま。

千葉が、ここ数年で最高の補強をしたのは事実だが、自殺的な経営で、

クラブを崩壊させかけた淀川隆博時代とくらべてマシってだけ。

のんびり屋なのは、ことしもかわらない。

もちろん大阪は、バレーをUAEのクラブにうった金のおかげで、

強化費が潤沢だという事情もある。

世界経済の地殻変動にも対応しないと、クラブはいきのこれない。

攻撃的なサッカーでアジアを制し、

マンチェスター・ユナイテッドと撃ちあいをした連中は、やはり一味ちがう。

来季からは国内移籍にともなう移籍金がなくなるし、

Jリーグの風景は、これからの二、三年でおほきくかわるだろう。

サッカーの未来にかかる不穏な影。

この競技をしるものは、だれもが初戦の重要性をとく。

そこには、すべてがあるからだ。


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苑田 謙

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