はっとりみつる/西尾維新『少女不十分』

 

 

少女不十分

 

作画:はっとりみつる

原作:西尾維新

掲載誌:『ヤングマガジン』(講談社)2015年-

単行本:ヤンマガKC

[ためし読みはこちら

 

 

 

『ウミショー』『さんかれあ』につづく、はっとりみつるの新作は、

西尾維新が2011年に発表した同名小説のコミカライズ。

中山敦支もそうだが、いわゆる代表作を描き終えて消耗した作家に対し、

西尾は涸れかけた創作意欲を刺激する存在であるらしい。

 

 

 

 

漫画版『少女不十分』は交通事故からはじまる。

20歳の主人公の目の前で、トラックが女子小学生を轢殺。

 

 

 

 

一緒にいた髪の長い少女は、すんでのところで死を免れる。

そのとき彼女はゲームボーイで遊んでいた。

 

 

 

 

変わり果てた友人を抱きかかえて慟哭。

しかし主人公は見ていた。

少女が駆け寄る前に、プレイデータをセーブするのを。

 

 

 

 

僕は西尾維新についての知識がゼロにちかいが、

物語のこの異形ぶりは、さすがは人気作家だと唸らされた。

 

最初の企画書にも、

「トーン処理を抑え、白黒と罫線をメインにし、コントラスト高めで

主線が白飛びするような、実写風の画面作り」と書いていました。

 

はっとりみつるへのインタビュー

 

極端なハイコントラストにより、明暗の両方でプリーツが潰れている。

そうゆう作画のコンセプトを活かした衣装デザインとも言える。

 

 

 

 

刃物で脅され、主人公は少女の自宅へ「拉致」される。

そこは趣味のよい豪邸だった。

 

本作でスクリーントーンは少女の唇にしか使われない。

奇妙な錯覚だが、こまかい縦線でザラザラした空の方がリアルにみえる。

漫画史のなかで洗練をきわめたトーンワークは、

ある意味、白黒表現のために捏造された嘘なのだ。

 

 

 

 

女子小学生が男子大学生を監禁する、ツッコんだら負けのストーリー。

荒唐無稽だが、作画において鋭くリアリティをえぐりだす。

つまりこれこそが漫画だ。






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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

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苑田 健

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