伊藤正臣『タネも仕掛けもないラブストーリー』

 

 

タネも仕掛けもないラブストーリー

 

作者:伊藤正臣

掲載誌:『ミラクルジャンプ』(集英社)2015年-

単行本:ヤングジャンプ コミックス

ためし読み/『片隅乙女ワンスモア』の記事]

 

 

 

トリッキーな作風で知られる伊藤正臣の新刊だ。

初々しい高校生カップルが誕生した瞬間、バサバサと鳩が飛ぶ。

 

 

 

 

男は「小熊沢嵐」、奇術部部長でプロをめざしている。

トリックの解説もくわしい、本格的な手品漫画だ。

 

 

 

 

女は「奇之下ひばり」、1年生の奇術部員。

物体を遠隔操作する超能力をもつ。

イマジナティヴな見開きは、『片隅乙女ワンスモア』と同様に魅惑的。

 

 

 

 

『片隅乙女』は「ループもの」で、本作『タネしか』は「超能力もの」。

SF要素を取り入れつつも、ベースはラブコメで、

すれちがいの多い少年少女の不器用な恋をえがく。

 

 

 

 

テレキネシスを使えるひばりが奇術部にいる理由は、アイドルになりたいから。

でもアイドルのオーディションとか無理そうなので、

まず「天才美少女マジシャン」としてテレビに出て、顔を売るとゆう戦略。

 

 

 

 

計画どおりアイドルになれたら恋愛禁止だから、

それまでの期間限定で付き合ってもいいと、ひばりは言う。

計算高いとゆうか、虫がよすぎるとゆうか、無邪気でかわいいとゆうか。

 

手の込んだ髪の描写など、独特の画風も進化している。

 

 

 

 

ライバルキャラの「北渡千鶴」。

日本のマジックである和妻を披露する。

和妻は、倉薗紀彦『ホーカスポーカス』でも描かれていたが、

本作の華やかで幻想的なステージングは捨てがたい。

 

 

 

 

あえて超能力を手品の範疇に矮小化することで、

思春期の女の子特有のマジカルな魅力を暴発させる。

読者は口をあんぐりと開けたまま幻惑される。






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