丸井まお『牧場OL』

 

 

牧場OL

 

作者:丸井まお

掲載誌:『まんがタイムファミリー』(芳文社)2015年-

単行本:まんがタイムコミックス

ためし読み/『深海魚のアンコさん』の記事→1巻/2巻

 

 

 

トラックがゴトゴト、スーツ姿のOLを載せてゆく。

北海道の大地を駆け抜ける。

ドナドナ感あふれる第1話。

 

 

 

 

主人公「野花南」が泣いてたのは、大手食品メーカーに就職早々、

体力を買われたのか、提携する牧場へ配属となったから。

そこは社畜の悲しさ、言われるがまま荷台で運ばれるしかない。

 

 

 

 

公式のアナウンスはないが、作者である「丸井まお」は、

『深海魚のアンコさん』を描いた「犬犬」の別名義らしい。

あとがきによると地元を舞台にしたとか。

水生生物を擬人化したファンタジックな前作から、牧場のリアルな日常へシフト。

 

 

 

 

シンプルな絵柄で女子を描き分ける腕は、作者ならでは。

イチオシはベトナム出身の実習生「スアンさん」。

あかるくて面倒見のよい先輩だが、ちょっとズレてて、

フルメタルジャケット的な怖さを感じるときも。

 

 

 

 

隣の牧場の跡取り娘「鷲巣さん」もいい。

ひとり合点して南に嫉妬の炎をもやすツンデレ。

 

なぜか牧場は女の子が似合う。

ゆうきまさみ『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』を思い出したり。

 

 

 

 

ひさしぶりに東京の本社へもどり、同期とランチ。

苦労話をすると、「効率化しろ」とか「Win-Winの関係」とか、

牧場のぼの字も知らないくせに、利いた風な口をきかれる。

生き物をそだてるのは、機械工場の大量生産とちがう。

数字しか見てない人間にはわからないけれど。

 

いつの間に南は「社畜」ではなくなっていた。

ほのぼのとしてかわいい作風のなかに、

毒気や深いテーマをふくむのは、『アンコさん』と共通する魅力。

 

 

 

 

牧場に慣れてきたある日、「春ちゃん」の出荷を知らされる。

南が名づけた仔牛だ。

生後半年で売られるのは予想外で、はげしく動揺。

 

 

 

 

こう見えても一流企業のOL、ビジネスの厳しさはわかってる。

家畜とペットの違いもわかってる。

猫可愛がりして人になつかせたら、かえって残酷だ。

もし春ちゃんだけ助けても、かわりにほかの牛が食肉になるだけ。

でも、情が移ってしまったのだから、どうしようもない。

 

女子のやさしさが、ドラマチックに表現されるステージ。

牧場ってすばらしい。






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