猪熊しのぶ『初めてのあの日、ぼくらは』

 

 

初めてのあの日、ぼくらは

 

作者:猪熊しのぶ

掲載誌:『コミックヘヴン』(日本文芸社)2015年-

単行本:ニチブン・コミックス

[ためし読みはこちら

 

 

 

新宿駅東口にあらわれた「卜部千早」が注目の的となる理由は、

可憐なルックスだけでなく、オリンピック出場が確実な陸上選手だから。

 

 

 

 

オムニバス形式の恋愛漫画である本作は、

『SALAD DAYS』(1997-2001年)の「10年代版」と位置づけられる。

ヒロインの目を大きく、等身を低くして絵柄はアップデート。

ツイッターでの引退宣言が転機となるなど、今日的な小道具をもちいたり。

 

 

 

 

週刊少年サンデーでは不可能だったセックスもえがく。

漫画のたのしみがギュウギュウに詰まっている。

 

 

 

 

4話「とりかえばや!」が白眉だ。

向かいの家に住む夫婦は、おなじ顔をしている。

双子同士で結婚したから。

 

 

 

 

両家の子供は「いとこ」の関係だが、おなじ遺伝子を受け継ぐためソックリ。

実質的な二卵性双生児だ。

 

ありふれた朝の日常をえがく3ページが、こんなにシュールな光景に。

ベテラン作家ならではの語り口のうまさ。

 

 

 

 

いとこのトシの心が離れてゆくのを嘆き、鏡にキスする都子。

戯れに「入れ替わり」を試したばっかりに。

TSものや近親相姦ものといった流行のテーマを、作者は意の侭にしている。

 

 

 

 

たとえばホムンクルス『レンアイサンプル』を読むと、

完璧な画力と練り上げられたストーリーに脱帽するが、

この「双子」が睦み合うシーンのうつくしさに比べると、まだ青臭い。

 

「SALAD DAYS」を通過し、酸いも甘いも噛み分けた作家だけが表現できる、

言うなれば「DESSERT DAYS」が本作なのだろう。






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テーマ : 漫画
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