矢野耕平『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』

(イラスト:平井さくら)

 

 

女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密

 

著者:矢野耕平

発行:文藝春秋 2015年

レーベル:文春新書

 

 

 

左から順に、東大合格者数と制服のダサさで名を轟かす桜蔭、

私服通学で自由放任の女子学院(通称JG)、

セーラー服が憧れの的となっているお嬢様校の雙葉。

 

女子校文化を知らねば、日本は理解できない。

本書は「女子御三家」について学ぶための参考書だ。

 

 

 

桜蔭といえばジャンパースカートの制服。

夏服と冬服のデザインがほぼ同じなのも、野暮ったさを増幅する。

あまりにダサすぎ、どんなに可愛い子が着ても可愛くならないので、

最初は抵抗する生徒たちも、高2くらいになると諦めてしまう。

 

桜蔭生がオシャレのかわりに熱中するのは勉強。

先生の人気は話のおもしろさでなく、授業のレベルで決まる。

修学旅行でさえ事前に徹底調査し、学びの場とする。

東大寺のガイドは彼女らの知識量に恐れをなし、

「桜蔭が来る」となれば毎年勉強し直すのだとか。

 

 

 

JGは制服がない。

ほかの私服通学の女子校は大抵スカート指定だが、それすらない。

化粧も許される。

 

行事や部活も生徒主導。

JGのクラブ活動は「部」でなく「班」とよばれ、

練習メニュー・スケジュール・荷物の手配など全部自分でやる。

顧問の先生は顔を出さないのが当たり前。

対外試合で、先生に叱られる他校生を見るとカルチャーショックをうける。

 

ただし、学年間の上下関係はきびしい。

自由とゆう伝統を守るには秩序が必要だ。

そんなこんなで、JG生の多くは先輩に恋してしまう。

自立した立ち居振る舞いがまぶしすぎるから。

 

 

 

雙葉は、幼稚園からの一貫教育をほどこすのが、他の二校とちがう。

それゆえ内部生と外部生の軋轢、イジメなどが発生する。

担任の教師を標的にして辞めさせた事例まであるとか。

 

比較すると、桜蔭やJGほどの個性はない様だが、

先輩に恋する文化は雙葉にも勿論ある。

 

 

 

 

 

 

豊島岡女子学園などの台頭で、「女子御三家」の地位は揺らいでいる。

時代遅れの幻想となりつつある。

それでもやはり彼女らは、僕たち私たちが憧憬する存在。






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