鍵空とみやき『ハッピーシュガーライフ』
ハッピーシュガーライフ
作者:鍵空とみやき
掲載誌:『月刊ガンガンJOKER』(スクウェア・エニックス)2015年-
単行本:ガンガンコミックスJOKER
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ロリータ風味の百合サスペンスだ。
マンションのドアを開けると、可憐な幼女が出迎えてくれる。
やけに親密だが、姉妹ではない。
ある理由で、ふたり暮らしをしている。
人探しのビラに写真が載っていた。
女子高生の「さとう」が、幼い「しお」を拉致監禁している様だ。
犯罪の動機はさまざま。
大抵は金銭であり、憎悪など負の感情が原因ともなりうる。
でもそれが百合だったら、社会は否定できるのか。
美貌ゆえ、さとうはつねにトラブルに巻きこまれる。
その都度、抜け目なく撃退。
嫉妬に狂ったバイト先の店長の乱行を、股ぐらから撮影したり。
変態教師にストーキングされたら、自宅へ突撃、家族のまえで服を脱ぐ。
汚れきって、病んでいるこの世界を、笑顔で切り抜ける。
しおちゃんは、ひたすら愛くるしい。
留守中に掃除をがんばる姿とかいじらしくて。
ただ厳重に鍵をかけた一室に秘密が。
さとうは家主だったおばのバラバラ死体を隠していた。
甘い生活のためなら、多少の犠牲はやむをえない。
愛が、必然的に独占慾をともなうなら、第三者との軋轢は避けられない。
わたしたちは愛のため生きるのだから。
ゆえに少女は、全世界を敵にまわして戦う。
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