西尾雄太『アフターアワーズ』

 

 

アフターアワーズ

 

作者:西尾雄太

掲載誌:週刊ビッグコミックスピリッツ増刊『ヒバナ』(小学館)2015年-

単行本:ビッグコミックススペシャル ヒバナ

[ためし読みはこちら

 

 

 

内臓を揺すぶるビートが響くクラブで、ふたりは出会った。

ショートカットで小顔の、お姉さん風な「ケイ」は、

あまり遊び慣れてない「エミ」に、クラブの楽しみ方をおしえる。

 

やりたいことを、なんでもすればいいの。

 

 

 

 

ケイはDJとして活躍。

流されやすいタイプのエミも、請われるままステージにたつ。

曲にあわせ映像を編集するVJだ。

コンピュータ関係の仕事をしてたとかで、案外サマになる。

 

 

 

 

ケイの住まいは、ビルの隙間にあるボロアパート。

酒と音楽でハイになった勢いで、その日はじめて知り合ったのにお泊り。

そっちの気があるらしいケイがグイグイせまる。

 

 

 

 

クラブ文化と同性愛文化は密接な関係がある。

僕はどちらも知らないが、こうゆうコトはあるんだろうと思えるリアルさ。

 

本作の題材は、オタク男子の空虚な妄想である「百合」より、

LGBT共同体を背景にした「レズビアニズム」にちかい。

「心がぴょんぴょんするんじゃ^~」的な悪ふざけに匕首をつきつける、

カッティングエッジな漫画だ。

 

 

長髪だったころのケイ

 

 

少年ぽい風貌のケイは若々しいが、実は30歳。

クラブシーンの良い面も悪い面も見てきた。

 

イベントが不入りだったら、参加したDJが持ち出しで損失補填するとか、

華やかなだけじゃない夜の街の事情が興味ぶかい。

作者・西尾雄太は、STAG名義でイラストレーターの仕事をしてきた人だが、

サブカルの殿堂と言われるヴィレッジヴァンガードの店長だったりと、

なるほど僕が不案内な界隈にくわしいから描ける作品とわかる。

 

 

 

 

夜明けの渋谷駅前を仲間とあるく。

この気持ちよさを味わったら、刺激のない生活にもどれない。

 

 

 

 

タクシーのなかでホッとしてまどろむふたり。

たとえワンメーター分でも世界から切り離され、

互いが互いにとって大切だとゆう事実をたしかめあう。

 

この夢見心地のやさしさ。

なんだかんだで本作は「百合」だ。

 

 

 

 

きっとそこにある何かをもとめ、道玄坂を行ったり来たり。

2015年の「シーン」はまだまだおもしろいよと、キックをいれる作品。

 

もしあなたが日常を退屈だと感じてるなら、

心のターンテーブルに『アフターアワーズ』をのせてみては?






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