堂本裕貴『りぶねす』2巻 無敵の西条飛鳥
りぶねす
作者:堂本裕貴
掲載誌:『マガジンスペシャル』(講談社)2014年-
単行本:講談社コミックス マガジン
発情する兄におびえ隣家へ駆けこんだカスミ。
アスカはベランダを飛び移り、幼なじみのテツに制裁をくわえにゆく。
ぴょんぴょんと身軽なフットワーク。
アスカの果敢なアクションで、第2巻の幕はあがった。
目玉はアスカとの水族館デート。
漫画で表現された少女の可憐さの極北ともいえる、
「妹ものの決定版」の1巻から、ぐいと「王道ラブコメ」へ舵をきった。
男まさりの剣道少女のくせ、いつになく女らしいワンピース姿。
前結びにしたシャツはスポーティで、個性をひきたてる。
本作において、妹カスミは色慾の対象にならない。
ひとつ屋根の下に暮らしてるから、おめかしに感動することもない。
幼なじみにはかなわない。
全世界待望の温泉回では、カスミの豊満なカラダを思う存分たのしめる。
でも水族館デートの印象が鮮烈すぎ、イマイチたかぶらない。
よくできたフィギュアだなと原型師の腕に舌をまくが、それ以上感情移入できない。
念願の添い寝イベント。
ホラー映画をみせるなどの戦略が奏功。
ただ隣からアスカがみていた。
軽蔑の眼差しで。
もはや「本妻」の余裕すらただよわす。
天使すぎる妹は、このまま空の彼方へ飛んでってしまうのか。
妹愛好家の僕は、幼なじみキャラのあまりの吸引力に困惑した。
イルカだって、キスしたくなるくらいだもの。
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