梅木泰祐『あせびと空世界の冒険者』3巻 モチベーション
あせびと空世界の冒険者
作者:梅木泰祐
掲載誌:『COMICリュウ』(徳間書店)2014年-
単行本:RYU COMICS
いよいよ敵のアンドロイド「ダリア」が大暴れ、読者の期待にこたえる第3巻。
襲撃時の大胆不敵なたたずまいとか、ゾクゾクさせられる。
梅木泰祐は「絵になる絵」を描く作家だ。
フリルつきの見せパンをとらえるアングルの趣味のよさとか。
「フィールドデバイス」機能をもつ左目を破壊。
顔半分をうしなってもなお、彼女はうつくしい。
監禁された「あせび」は厳重に緊縛される。
小道具としての鎖が、切迫した構図をうむ。
だれだって助けてあげたくなる。
本巻はイチャイチャ成分すくなめなので、単行本おまけで補充。
最高のサプリメントだ。
飛空船のダクトをぬけ、あせびさん奪還をはかるユウ。
いざってとき体を張らなきゃ、魅力的なヒロインに愛される資格はない。
立体迷路状になっており迷うが、ここでも漫画的誇張が効いている。
僕の好みから言うと、物語の進みがゆっくりぎみかな。
いづれにせよ、内発的な動機につきうごかされる、
イキイキとした登場人物たちが、われわれ読み手を引き摺る傑作だ。
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