田村茜『たそがれメモランダム』
たそがれメモランダム
作者:田村茜
掲載誌:『月刊!スピリッツ』(小学館)2014年-
単行本:ビッグコミックス
[ためし読みはこちら]
「高取エリ」は新聞記者をめざす高校2年生。
公園でやすんでいても人間観察に余念がない。
むかいのベンチにすわる男女が、かれこれ1時間コミュニケーションなし。
どうゆう関係なんだろう?
毎話8ページで謎がしめされ、意外な解決がもたらされる。
ヒロインがJK、ミステリ仕立て、ただようローカル感……。
石黒正数『それでも町は廻っている』を髣髴。
ベンチのふたりはプロポーズするかしないかで迷っていた。
胸キュンエピソード中心なのが『それ町』にない特色。
第10話。
電車がとまり、待ち合わせ時間におくれそうな制服の女の子。
大慌てでスカートをたくしあげ、髪をセット。
相手はだれだろう?
同世代の男じゃヒネリがない。
たとえば百合とか、そもそも人間と会うのではないとか。
正解は、父の再婚相手との初顔合わせ。
必死に身だしなみを整えたのは、失礼がないようにするため。
それとちょっと背のびしたい、対抗意識。
なにげない街の風景は、乙女心のミステリーをかくしている。
鏡にうつるキラキラしたときめきが、つぶぞろいの物語へ変貌。
![]() | たそがれメモランダム 1 (ビッグコミックス) (2015/03/12) 田村茜 |
- 関連記事