関谷あさみ『僕らの境界』

『山』

 

 

僕らの境界(ライン)

 

作者:関谷あさみ

発行:茜新社 2015年

レーベル:TENMACOMICS JC

[同作者の『千と万』の記事→1巻/2巻

 

 

 

『YOUR DOG』以来、7年ぶりの成年漫画単行本。

インターネットの普及が、この間の社会的変化として挙げられる。

中学1年の彼女とセックスする写真をツイッターで公開したら、

自慢とうけとられ何人かにフォローをはづされた。

リアルだ。

 

 

 

 

短篇のタイトルが『山』だけに、風景を丁寧にえがく。

仕事をサボり、あどけない少女をオモチャにする。

事後に学校での三者面談の話をする「れいかちゃん」。

大学進学は、この山村を出てゆくことを意味する。

ケロッとした顔で、田舎でくすぶる男の一番傷つきやすい部分を刺す。

 

 

寝床でゴロゴロする女の子を描かせたら宇宙一

 

 

描き下ろしの後日譚『街の灯』。

ファッション誌をみては、都会への憧れをつのらせる。

それでも可愛い下着をつけ、年上の彼氏のため精一杯おしゃれした。

 

文化、社会、どっちもどっちな人間関係。

それらすべてを思春期女子のファッションに集約するのが、関谷作品。

 

 

『ラストキング』

 

 

通販で買ったブルマをみせたら、蒼ざめて震える「東子ちゃん」。

はじめて実物を目の当たりにしたショートパンツ世代の衝撃はおおきい。

 

 

『LUSTKING append ver.』

 

 

関谷作品のヒロインは仔犬の様に従順で、あれもこれもうけいれる。

でもやられっぱなしでなく、やられていいことしかやらせない。

選択権をあづける選択をする、一種の代議政治だ。

 

 

 

 

いわゆるジト目少女の『走れ!』が白眉だろう。

あさみ先生にしてはあざとい造形だが、

「うだつのあがらないジュニアアイドル」とゆう微妙な肩書で納得。

アマゾンあたりのレビューでは「無表情すぎ」とかで星二つ。

 

 

 

 

お仕事がんばるための御褒美を兄からもらう。

キスの仕方をしらず息がつまったので、鼻をおさえ呼吸法をためす。

手をつかった感情表現で、ジト目の破壊力を増幅。

 

 

 

 

撮影現場にいくときの可憐な服装は、1967年の映画『卒業』の、

ウェディングドレスで駆けるラストシーンへのオマージュ。

関谷作品を特徴づける「不毛な叙情性」が、

アメリカン・ニューシネマと通底するのを、作者みづから披瀝しており興味ぶかい。

 

一般誌で連載中の『千と万』がたかく評価される一方で、

よりメインストリーム的な作劇を、あえてロリ漫画誌で展開する孤高さにうたれる。

ファンブログでもそのこだわりをくわしく指摘されている。

異端の作家、関谷あさみ。

ファンとしては従順につきしたがうしかない。




僕らの境界 (TENMA COMICS JC)僕らの境界 (TENMA COMICS JC)
(2015/02/27)
関谷あさみ

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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 関谷あさみ  ロリ 
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