我孫子祐『東のくるめと隣のめぐる』

 

 

東のくるめと隣のめぐる

 

作者:我孫子祐

掲載サイト:『ComicWalker』(KADOKAWA)2014年-

単行本:角川コミックス・エース

[同作者の記事→『スライムさんと勇者研究部』1巻/2巻/3巻/4巻/『アンズー』

 

 

 

校内一のクールビューティ、「塚原めぐる」をめぐる物語。

乙女の命である前髪を、ヘアピンで鉄壁ガード。

おさなさと警戒心の両面があらわれる。

 

 

 

 

主人公の「永耕助(えい こうすけ)」は、新宿から東久留米へ越してきた。

北に黒目川、中央に落合川がながれる。

後者は都内で唯一「平成の名水百選」にえらばれた清流で、さまざまな鳥や魚が棲息。

 

 

 

 

あらたな出会いを期待する耕助だが、お隣さんはアフロで残念。

ただ様子がおかしい。

 

 

 

 

なんとモジャモジャ頭は、塚原さんの飼い猫「アフロ」だった。

あこがれの美少女の隣人になれたことより、

高校でのよそよそしさと真逆の無邪気さにビックリ。

 

 

白鷺もめづらしくないとか

 

 

そんな感じの、せせらぎが聞こえるご近所ラブコメだ。

ゴツい一眼レフをさげるのは、塚原さんの妹「くるり」。

お下げ髪は地味だが、かるい外ハネに元気な性格をみてとれる。

シンプルだけど、我孫子祐の女の趣味はいつもすばらしい。

 

 

 

 

憂鬱なスクールカーストから距離をおき、家族ぐるみの交流がはじまる。

きらめく川面、土のにおい、風にそよぐ髪。

うつくしいカットがいくつもある。

 

 

 

 

ヒロインの塚原さんは、前作の「スライムさん」とちがい特殊能力をつかえない。

でもどこか変。

引越し祝いのパーティで、耕助に頭をサラダまみれにされても、

服にかかってないからセーフとよろこぶ。

 

 

 

 

シャワーをあびる塚原さんがタオルをもってこいと言うので、

ドキドキしながらドアをあけると、服を着たまま髪をあらってた。

水も滴るとぼけたヒロインのたたずまいに、スライムさんの残像がかさなる。

 

 

 

 

プールでひと泳ぎしたあと、高台から町をみおろし、

東久留米とそこにすむ人々への愛をかたる塚原さん。

くるりちゃんは三つ編みを解いている。

乾ききってない髪のにおいがする。

 

本作は単なる「ご当地もの」じゃない。

つややかで呪術的な女の黒髪が、あたりの精霊をよびこみ、

ありふれた日常の特異点で、山河と町並をつなぐ。

塚原さんは巫女の様だ。

 

 

 

 

冬は森ガール風のコーディネイトで。

あたたかそうなヘッドバンドもかわいい。

前髪が季節ごとにことなるアクセントになるなど、

作者は女子のファッションの魔力をたくみにひきだす。




東のくるめと隣のめぐる (1) (カドカワコミックス・エース)東のくるめと隣のめぐる (1) (カドカワコミックス・エース)
(2015/02/07)
我孫子祐

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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

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