鈴木マナツ/岡田麿里『selector infected WIXOSS -peeping analyze-』

 

 

selector infected WIXOSS -peeping analyze-

 

作画:鈴木マナツ

原作:LRIG

ストーリー原案:岡田麿里

掲載誌:『ウルトラジャンプ』(集英社)2014年-

単行本:ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ

[ためし読みはこちら

 

 

 

トレーディングカードゲーム『WIXOSS』のアニメからスピンオフした作品。

「ピルルク」「蒼井晶」などのキャラに焦点あてる。

 

 

 

 

カードにしるされた「ルリグ(girlの逆さ読み)」とよばれる少女たちは秘密があり、

そのかなしくも残酷な過去を、鬱屈とした筆致でおりなす。

 

 

 

 

「ここで、しよ」

 

鈴木マナツの絵柄は端正で、淡白ですらあるが、

いわく言いがたいエロスがいつとなしに充満する、まれな作風。

 

 

 

 

闘いのなかで剥き出しとなる少女たちのエゴも、仮借なくえがく。

 

高校が舞台のデスゲームを主題とする傑作、

『阿部くんの七日間戦線』の作者を起用したのは、最良の人選だろう。

 

 

 

 

ジュヴナイル的な日常芝居は、丁寧でドラマティック。

ぐいぐい読者を物語へひきこむ。

 

 

 

 

女の子の描き分け、表情のゆたかさ、ミニスカートの脚線美。

濃厚な百合の匂いにめまいがする。

 

 

 

 

『世界征服~謀略のズヴィズダー~』のコミカライズは原作をなぞるだけで、

能天気なノリもマナツ先生にふさわしくなかった。

外伝である本作は制約がすくなく、漫画らしいハッタリがきく。

 

 

 

 

ウィクロスの悪辣なルールを逆手にとり、「願い」をかなえる乙女たち。

裏切りの連鎖で、だれもが傷をふかめてゆく。

 

 

 

 

鈴木マナツは、いい意味で「ゼロ年代」的な作家だ。

中二病やセカイ系みたいな、サブカルの素養が自然とにじみでる。

TCGのアニメからスピンオフした漫画なんて、

いかにもイマドキの企画だが、よんでいるとなんとなくなつかしい。

 

 

 

 

それでいてX脚ぎみの女の子のたたずまいで、すべて語りつくす、

「10年代」的プロトコルをつかいこなすトップランナーでもある。

 

『阿部くん』から『スヴィズダー』まで、一年ほど連載がとぎれ心配したが(参照:ツイッター

『ピーアナ』は「オレの目に狂いはなかった」とおもわせるし、

いづれまた一夏みたいにアナーキーなキャラが狼藉をはたらく、

偉大なオリジナル作品をとどけてくれるはずと期待させる。




selector infected WIXOSS─peeping analyze─ 1 (ヤングジャンプコミックス)selector infected WIXOSS─peeping analyze─ 1 (ヤングジャンプコミックス)
(2014/12/19)
鈴木マナツ

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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 鈴木マナツ  百合 
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