うんこにこだわる司馬遼太郎

きのう、明治時代初期をなにもわかっていないことにきづいたおれは「翔ぶが如く」の再読をはじめた
維新後の西郷隆盛と大久保利通の軋轢をあつかう作品
司馬遼太郎の代表作のひとつとされる

冒頭、川路利良(本編の副主人公)は警察制度の調査のためにフランスにいる
汽車のなかで猛烈な便意におそわれた川路は、客室内で毛布にかくれながら用をたす
そして新聞紙につつんだうんこを窓からほおりなげる
それが運わるく路線夫にぶつかり、新聞紙から日本人のしわざとばれたらしい
これは人間の悪をあつかう機関である警察を、ある種の便所にみたてるたくみな比喩だ
それにしても大長編の出だしがうんこ

剣豪・千葉周作をとりあげた「北斗の人」
こちらは周作の父親、幸右衛門の話からはじまる
幸右衛門は顔がながく「馬」とよばれた人物だが、それが皮肉なことに馬医者となる
病気の馬をみるときは、肛門にうでをつっこみ糞をひっぱりだす
そしてにおいをかぎ、ぺろりとなめて診断する
のちに剣の道をきわめる周作との対比をきわだたせる意図があるわけだが、ようするにまたうんこ

徳川家康は、三方ヶ原の戦いで武田信玄に粉砕される
ほうほうのていでにげかえる家康が馬上で脱糞したという話は有名
もちろん司馬がみのがすわけもなく、戦国物のあちこちでしつこいほど言及している
さすがはうんこハンター

晩年の司馬は「司馬史観」「偉大な文明批評家」「歴史小説の革新者」などとおだてられ、きたない話はめったにしなくなったが、しかし精力さかんな年頃の文体はすごい
うんこや天下国家や偉人や退屈な余談や思想宗教や滑稽ばなしがかわるがわる顔をだす自由奔放な語り
司馬さん、あんたの小説はくそすばらしいよ
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苑田 謙

苑田 謙
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