恵三郎/草水敏『フラジャイル』

 

 

フラジャイル 病理医岸京一郎の所見

 

作画:恵三郎

原作:草水敏

掲載誌:『アフタヌーン』(講談社)2014年-

単行本:アフタヌーンKC

[ためし読みはこちら

 

 

 

白衣を着ない医師も、世のなかにいる。

その名は「病理医」、診断の専門家だ。

 

 

階段で頭をうった女子高生。それが「なぜ」なのかが問題

 

 

医療をあつかう漫画はめづらしくない。

手塚治虫以来、むしろ主流とすらいえる。

 

 

 

 

 

本作のヒロインは「宮崎先生」。

卒後2年めのわかいドクターだ。

ただ神経内科医の激務で憔悴し、髪はボサボサ、肌はボロボロ。

 

 

 

 

先輩医師と看護師が、宮崎先生の噂をする。

マジメなのはいいけど、外来を週100人さばく大病院では、

いちいち患者に感情移入してたらもたないし、客観的にみて不公平。

彼女は、やめた方が本人のためかも。

 

リアルな会話が「病院ってこわい」とおもわせる。

臨床医のつとめは、ほどほどの力で回転率を維持すること。

 

 

 

 

「漫画の神様」は知っていただろうか。

医療行為はドラマティックでなく、またそうあるべきでないことを。

 

奇しくも手塚の没後25年、小泉純一郎みたいな髪型の病理医が、

医療漫画のオルタナティヴを提示。

 

 

 

 

「おかえりなさいませ、御主人さま♡」的な媚びが萌え文化とすると、

庇護慾をかきたてない女医さんは、その対極にある。

ほとんどの男より頭がよく、生活力があり、社会的地位がたかい。

夜勤のときはタバコもすう。

 

 

 

 

宮崎先生がいきなりとびこんだ「現場」には、顕微鏡と論文しかない。

ひたすら孤独にデータとむきあう。

責任はおもいが、治癒したとき感謝されるのは臨床医。

 

 

 

 

そこがいい。

知力と度胸で、病気とゆう真犯人をおいつめるさまは、ハードボイルドな探偵さながら。

 

 

 

 

とってつけた様な「人情話」にかまけることなく、

人間のさけられない運命、つまり病気や死に挑戦する宮崎先生が、

あらたな萌えを開拓している点でも注目すべき作品。




フラジャイル(1) (アフタヌーンKC)フラジャイル(1) (アフタヌーンKC)
(2014/11/21)
恵三朗

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