小川進『防犯カメラによる冤罪』

 

 

防犯カメラによる冤罪

 

著者:小川進

発行:緑風出版 2014年

 

 

 

おそらく全容疑者の3分の1は冤罪と、防犯カメラの鑑定にたづさわる著者はゆう。

DNAとならび、猛烈に有罪をふやしている機械についてのショッキングな報告。

 

 

 

 

深夜1時、自転車をひく男が映っている。

これが身長や耳の形を特定する證拠。

耳の画像はわづか「4画素」しかない。

 

 

 

 

広角レンズに映る人物は別人みたく痩せてみえるので、

鑑定するときは「レンズ補正」をする必要がある。

しかし県警レヴェルの鑑識に、そこまでの科学リテラシーは期待できないし、

まして文系である検察や裁判所においてはなおさら。

 

 

 

 

著者は東京歯科大学教授・橋本正次を、冤罪乱発マシーンだと糾弾。

橋本は年間120-150件の鑑定をこなす。

鑑定書を1本書くのに普通は1か月-1年かかるところ、数時間で仕上げるらしい。

1件あたり2-30万円の経費がでるから、ウン千万の荒稼ぎだ。

 

橋本の専門は生物であり、画像処理の理論をしってるかあやしい。

裁判の尋問で「東大で聴講や研究生をした」とうったえ、

まるで東大で博士号取得した様な印象を、裁判員らにあたえたりも。

 

 

 

 

冤罪には政治がからむ。

2006年に法政大学当局が、中核派活動家とそのシンパを警察に逮捕させた。

そこでも橋本が「みえない画像」をみえると鑑定。

 

中核憎しのあまり、冤罪製造機と手をむすび学生を弾圧して、

はたして大学は、法や正義をおしえられるのか。

 

 

 

 

コンピュータで画像を鮮鋭化しても、うしなわれた情報は復元できない。

目鼻口耳は長方形のまま。

みえないものは、みえない。

 

冤罪鑑定人は、「明らかな」「可能性が極めて高い」など文学的修辞を駆使し、

「なんとなく似ている」のを根拠に無実のひとびとを有罪へみちびく。

 

 

 

 

著者は1971年の「渋谷暴動事件」で無期懲役が確定した、

星野文昭の再審請求にもかかわり、警官を殺した真犯人は別にいると結論。

なにものかによる突発的暴力に対し、警察・検察・裁判所は一丸となり、

「みせしめ」として組織のリーダーへ罪をなすりつけた。

 

国家権力はわれわれを監視している。

ただリヴァイアサンに不可視なものをみる力があることは、まだしられてない。

科学リテラシーをたかめ警戒をつよめねば。




防犯カメラによる冤罪防犯カメラによる冤罪
(2014/10)
小川進

関連記事

テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

タグ: 刑罰 
最近の記事
記事の分類
検索とタグ

著者

苑田 健

苑田 健

掲示板『岩渕真奈 閃光の天使』
も運営しています。

Twitter
メール送信

名前
アドレス
件名
本文

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
月別アーカイヴ
06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03