斉木久美子『かげきしょうじょ!』2巻 奈良田愛の横顔

 

 

かげきしょうじょ!

 

作者:斉木久美子

掲載誌:『ジャンプ改』(集英社)2012年-

単行本:ヤングジャンプ・コミックス X

[1巻の記事はこちら

 

 

 

AKB48もとい、JPX48の握手会での失態がふりかえられる。

男ぎらいの「奈良田愛」が、キモオタにいった「はなしてキモチワルイ」事件だ。

 

 

 

 

さらに幼少時へさかのぼる。

女優である母の美貌をうけつぎ、人形より人形みたい。

 

 

 

 

ある日、奔放な母の不在中、その恋人にイタズラされる。

かわいいお人形はマネキンとなり、決して笑顔をみせなくなる。

 

 

 

 

母が『徹子の部屋』らしき番組に出演、「映画で脱ぐこと」の意味をかたる。

黒木瞳を連想。

そこまで踏みこむかとヒヤヒヤする漫画だ。

 

 

 

 

優秀だがコミュ力ゼロの愛をみかねた、チームXのリーダーに説教される。

だまらせたくて、人間不信となった理由をおしえたら、

「なんだそれだけ」「もっとひどいことされた子もいる」といわれ、

他人に心をひらくことの愚をさとった。

 

 

 

 

その端正な横顔は、恐怖をかくすための假面。

JPX脱退後、宝塚音楽学校もとい、紅華歌劇音楽学校にはいってからも、

過剰なまでに自己防衛しながら生きる。

これ以上傷をおいたくないから。

 

 

 

 

おいこまれる愛の絶望的な精神世界をえがく一方で、

スターの卵たちの日々は淡々とすぎてゆく。

「さらさ」が花組ポーズもとい、冬組ポーズをしらないのはゆるせない、とか。

 

 

 

 

観劇日にみた『ロミオとジュリエット』は、この世のものとおもえぬ華麗さ。

 

まさに作者の好物をすべてぶちこんだ「ごった煮」。

女性版『エヴァンゲリオン』とゆうか。

集英社の青年誌『ジャンプ改』が休刊したにもかかわらず、

めでたく白泉社の少女誌『MELODY』で連載継続する異例の経緯も、

本作のジャンル横断的な魅力をものがたっている。

 

 

 

 

寮友との誤解と理解を交互にくりかえしつつ、つよくなる愛。

耳がかくれるくらい髪ものび、女らしくなった。

深夜にトイレで吐いている同級生に、寝癖ついたまま声をかける。

JPX時代、ダイエットで憔悴してゆく仲間をみてきたから。

 

 

 

 

氷像みたいな横顔に、ほんのり兆すやさしさ。

くづれた心のブロックをひとつひとつ積みあげる、うつくしい成長物語だ。




かげきしょうじょ! 2 (ヤングジャンプコミックス)かげきしょうじょ! 2 (ヤングジャンプコミックス)
(2014/10/17)
斉木久美子

関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合 
最近の記事
記事の分類
検索とタグ

著者

苑田 健

苑田 健
漫画の記事が多め。
たまにオリジナル小説。

Twitter
メール送信

名前
アドレス
件名
本文

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
月別アーカイヴ
10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03