シヒラ竜也『Q[クー]』

 

 

Q[クー]

 

作者:シヒラ竜也

掲載誌:『ウルトラジャンプ』(集英社)2014年-

単行本:ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ

 

 

 

「クー」とつぶやきながら、焼け跡をうろつくウサ耳の幼女。

猫とたわむれる姿はアンニュイ。

 

 

植木等『だまって俺について来い』(作詞:青島幸男)

 

 

廃墟と化したお台場に、ゆりかもめが放置されている。

生存者は、鼻歌まじりで日々をすごす。

絶望してもしかたない。

 

 

 

 

世界をほろぼしたのは、上空を覆いつくす「ソラリス」とよばれる怪物。

巨大な眼球と視線があうと、卵をおとす。

人間は、空を見上げることができなくなった。

 

 

 

 

「クー」はどちら側に属するのか、わからない。

ショベルカーみたいな手をみるかぎり、人間ではなさそう。

ひとつはっきりしてるのは、ドーナツがだいすきなこと。

 

 

 

 

「世界一おいしいもの」で懐柔されたクーが、怪獣との闘争をはじめる。

ブラックホール的な食慾で、がぶり噛みつき、ごくり呑みこむ。

 

 

 

 

主人公「芹沢レム」は、クーのあつかいに窮した。

敵の敵が味方とかぎらない。

バケモノ以上のバケモノを放置したら、人類は完全に絶滅する。

軍用の羊羹をむさぼるところを、背後からねらう。

 

 

 

 

ロリ救世主はあまりにつよすぎ、ジタバタしても無意味だけど。

食事を邪魔されると見境なくし、国防軍の飛行戦艦すら一撃で破壊。

 

キュートでスタイリッシュな決め絵にわしづかみされる、ディストピアSFだ。

 

 

 

 

特権階級はシェルターつきの「上層都市」に居住。

空の立体映像を天井にうつし、現実から目をそむけ生きている。

 

 

 

 

レポーターの「イリヤ」さんが、大人のエロスでロリに対抗。

視覚的には、いたれりつくせり。

 

さて、『読書メーター』の感想・レビューをのぞいてみよう。

 

ストーリーも「またこの手か。何番煎じ?」で、王道というより「発想が無い」レベル。

 

設定の荒唐無稽は問題ないけど、リアルがちっとも感じられない。

政治も社会も絵空事。できそこないの世界観にガックリ。

一般性・普遍性を持ち得ないかな、今のところ。

 

「ストーリー」や「世界観」が叩かれている。

絵がうまいだけの、からっぽの漫画だと。

その評価はまちがってない。

 

 

 

 

しかしタダじゃないのだから、漫画はもっと丁寧によむべき。

孤児を世話する「マナ姉」の歌の意味とか。

 

本作の空虚さは、たとえば植木等のカラ元気などをなぞったもの。

終戦直後の日本みたいな。

 

 

 

 

セカイカンとやらを語りたがる頭でっかちのオタクより、

絵から詩情をよみとれるフツウの読者にすすめたい逸品。




Q[クー] 1 (ヤングジャンプコミックス)Q[クー] 1 (ヤングジャンプコミックス)
(2014/09/19)
シヒラ竜也

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