松原利光『リクドウ』

 

 

リクドウ

 

作者:松原利光

掲載誌:『週刊ヤングジャンプ』(集英社)2014年-

単行本:ヤングジャンプ・コミックス

 

 

 

『リクドウ』は和歌山県出身、松原利光の初連載となるボクシング漫画だ。

首吊りした父をサンドバッグにする場面で、主人公「芥生(あざみ)リク」登場。

いつもされてることを、やりかえした。

 

 

 

 

保護者をなのる負け犬が退場したので、母のもとへタライ回し。

息子を殴らないし、比較的に問題解決能力があるのでマシか。

ヤクほしさでフェラチオする姿をみせる、かわった教育方針のもちぬしだが。

 

 

 

 

このヤクザの家には、ミイラ化した死体があった。

狂気の世界へのみこまれるまえに、灰皿でたたきころす。

 

 

 

 

第2話で、銀髪の少年は児童養護施設へおくられる。

やさしくうつくしい「江原先生」は、共感し涙をながした。

 

 

 

 

3話で、江原先生はヤクザの抗争にまきこまれ、拉致された車中で強姦される。

ふだん暴力のむなしさをとく彼女は、なんの抵抗もできず破瓜の血をながす。

ダメージおった少年は、陵辱の一部始終をながめるしかできない。

 

 

 

 

「昭和の劇画か!?」と奥附をたしかめたくなる本作は、新人がひとりで描いたもの。

必要以上に主人公をコーナーにおいこむ。

セックスと暴力への執着も、読者サーヴィスの範疇をこえる。

 

 

 

 

いまはヤクザとなり借金取り立てをしている元ボクサーに、

ホームレス一歩手前のボクシングジム会長を紹介された。

地獄からはいあがろうとする負のエネルギーは、ひとを身ぶるいさせる。

 

 

 

 

「馬場拳闘ジム」は風俗店のした。

虐待されるお姉さんをたすけたり、ちょっかい出されたりしながら、練習にはげむ。

中南米のスラムをおもわせる奇妙な世界観だし、

同郷である中上健次の露悪趣味も髣髴させる。

 

 

 

 

7年たった。

江原先生は仕事をやめたが、リクは児童養護施設で成長し高校生に。

施設仲間の「苗ちゃん」から好意をよせられる。

 

 

 

 

小学校時代からツインテの苗ちゃんは、「人殺しの同居人」とよばれイジメにあう。

腹をけられ嘔吐するほど本格的に。

カワイイのに、幸福になれそうな気配ゼロ。

 

 

 

 

プロテストには一発合格。

すべてうしなった少年の、世界をとりもどす闘争がはじまる。

 

繊細な描線でえがかれる美男美女が印象的だが、

カケアミを多用する絵面は劇画風でもあり、分類にこまる作品。

 

 

 

 

絵だけで勝負できる画力と、ハッタリ過剰な物語がせめぎあう、十七歳の地図。

小池一夫にみせたら、嫉妬のあまり首をくくるかも。




リクドウ 1 (ヤングジャンプコミックス)リクドウ 1 (ヤングジャンプコミックス)
(2014/09/19)
松原利光

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ジャンル : アニメ・コミック

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苑田 謙

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