『ハナヤマタ』11話 畑亜貴をこえて

 

 

スマイル・イズ・フラワー

 

テレビアニメ『ハナヤマタ』第11話

 

出演:上田麗奈 田中美海 奥野香耶 大坪由佳 沼倉愛美 豊口めぐみ たかはし智秋

演出・絵コンテ:渡邉こと乃

監督:いしづかあつこ

シリーズ構成・脚本:吉田玲子

キャラクターデザイン・総作画監督:渡辺敦子

色彩設計:大野春恵

原作:浜弓場双『ハナヤマタ』(芳文社刊)

アニメーション制作:マッドハウス

放送:2014年

[過去の記事→3話/7話/9話

 

 

元気娘ハナの心はいづこへ。

水遊びに興味しめさないなんて!

 

 

 

 

離婚して別居中の母が、来日しているのが原因。

ママはだいすきだけど、うれしいことばかりじゃなく……。

 

 

 

 

メールには「成績わるかったら生き埋めだよ :-)」とかいてある。

中3でこれがよめる真智の語彙力はなかなか。

 

 

 

 

みんなにいえなかったこと。

両親が再婚すること。

あす自分もアメリカへかえること。

 

 

 

 

家族がはなればなれになったのが、人生で一番つらかったこと。

ふたりの関係修復を邪魔するなんて、絶対ゆるされないこと。

 

 

 

 

「よさこいやりたい」と大騒ぎしたあげく、途中で放り出すこと。

自分がただの迷惑ガイジンだったこと。

信頼をうらぎり、親友をうしなうかもしれないこと。

 

 

 

 

ハナは、本作のシンボルにしてウィークポイント。

おとぎ話みたいな味をつけるためのスパイスにすぎず、

血肉そなえた、感情移入できるヒロインじゃない。

 

 

 

 

親友ライヴァル・幼なじみ・姉妹……うつくしいエピソード群に比して、

フォンテーンスタンド家母娘の関係は具体性にかける。

アニメの作り手と受け手のあいだに、アメリカ文化についての共通認識がない。

無国籍風のお辨当では、「あるある」って共感できない。

 

 

 

 

アニメ版が成功した理由は、ゆたかな色彩。

赤い振袖をきたヤヤのはなやかさといったら!

 

 

 

 

和のヴィジュアルと、女子中学生の日常がかなでるハーモニー。

そこに金髪碧眼ロリがいてこそ映える。

 

 

 

 

部員に紙をくばるヤヤ。

手書きの文章がしるされている。

 

 

 

 

題して『花ハ踊レヤいろはにほ』。

OP曲の作詞担当は、ニーソのツンデレ少女だった。

 

 

 

 

自作の歌詞を堂々披露した度胸におそれいるが、

平気でアイドルっぽく「魔法のキー☆」とか、手直しする真智もすごい。

 

『ラブライブ!』の歌詞は、「園田海未」ひとりで書いてることになっており、

畑亜貴はその設定をふまえ、どちらかとゆうと素朴な言葉づかいをする。

かたや『ハナヤマタ』は共同作業。

いろは歌の断片をちりばめた技巧はプロの水準だが、

女子中学生のコラボレーションとおもえば、筋はとおる。

 

 

 

 

畑亜貴の軽妙な言語表現が、原作つきの物語をうごかす。

いま世界でいちばん影響力ある作詞家じゃないか?

 

ただし、国語の苦手なハナはおいてきぼり。

ハタアキ的空間は、イロハをしらないものを排除する。

 

 

 

 

たしかに日本文化はうつくしい。

でもその純粋さが、「異質なものの排除」を意味するとしたら。

 

 

 

 

たとえばハナには八重歯がある。

貧困などの問題がないなら、アメリカ人ならとっくに矯正して当然。

絵としてはカワイイが、彼女は文化をせおってない。

 

 

 

 

『ロミオとジュリエット』や『赤と黒』の様に、親友の部屋へ侵入したハナ。

なるはやさしくさとす。

 

「ワタシ、どうしたら……」

「ハナちゃんは、ハナちゃんのしあわせをえらんで」

 

 

 

 

「ハナちゃんが笑顔でいられる様に……わたしは笑っているハナちゃんが、一番すきだから!」

そのことばはディレンマを解決しない。

けれども笑顔とゆう普遍言語が、すべてをあたたかくつつむ。

 

東国出身の浮舟が、『源氏物語』の京を震撼させた様に、

小柄なアメリカ人が、『ハナヤマタ』の鎌倉を浄化する。

 

 

 

 

「最後にバカヤローって言ってやろうとおもって……」

 

翻訳不可能なツンデレ言語でしめくくり、嫋々たる余韻をのこす。

「lily」と訳したらきっと通じない、百合のテレパシー。

なるほどこれが「魔法のキー」か。




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(2015/02/27)
上田麗奈、田中美海 他

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