梅木泰祐『あせびと空世界の冒険者』

 

 

あせびと空世界の冒険者

 

作者:梅木泰祐

掲載誌:『COMICリュウ』(徳間書店)2014年-

単行本:RYU COMICS

 

 

 

飛空船から浮遊島をみおろす。

ふたりの名は「ユウ」と「あせび」。

マジメそうなおさげ髪と、パニエのふくらみが目をひく。

 

 

 

 

空世界にいきる人類を、「竜魚」とよばれる巨獣がおびやかす。

生活圏をおそうことも。

 

 

 

 

ユウの職業は、ひとびとの尊敬をあつめる「衛士」。

大口径のライフルでたたかう。

 

 

 

 

ヒトが行動の自由をうばわれ、「霊長」でなくなった謎をおい、

あせびとユウはながい旅をつづける。

空は危険なので、衛士はひっぱりだこ。

 

 

 

 

メガネ女医「つばき」がのる船をえらんだユウに嫉妬。

作者は新人だが、見開きいっぱいのアクションも、コメディ描写もたくみ。

 

 

 

 

あせびの正体は「人型モジュール」。

旧文明がつくりだしたアンドロイドだ。

 

 

 

 

あせびが障壁を展開するあいだに、ユウが狙撃するのが基本戦術。

にくらしいほど息ぴったり。

 

 

 

 

本作はファンタジックな舞台設定や、アクションの勢いをたのしむ漫画だが、

可憐なアンドロイドと純情スナイパーの交流も、主題のひとつ。

 

竜魚の攻撃でこわれた飛空船のエンジンを、

ムチャして自分の動力炉でうごかしたあせびを、ユウは身を呈してたすける。

 

 

 

 

その晩、神経回路がダウンしたあせびを心配し、おなじ部屋にとまろうとする。

「モラルに反します!」とたたきだされた。

人型モジュールの方がオトナで、異性を意識するのがおかしい。

 

 

 

 

梅木泰祐の描線は、シンプルで力づよく、かつ繊細。

輪郭だけでスッと人物をうかびあがらせる、まれな画力のもちぬし。

 

 

 

 

つばき先生の妹「つくし」は、見習い船員。

暴力的なキャラと、セーラー服が印象的だ。

 

 

 

 

酒におぼれる元船乗りの父を気にかけている。

さっきから褒めてばかりだが、家族のほっこりエピソードもいい。

 

 

 

 

空のうえの人間模様はさまざま、晴れたり曇ったり。

それでもあせびの純粋さが、ひとびとの心をうごかしてゆく。

 

 

 

 

巨大戦艦を保有するライヴァルが行く手をはばんだり、大風呂敷ひろげる。

 

少年漫画のまっすぐさと、たおやかな女性キャラの華をかねそなえる点で、

初期の中山敦支作品『アストラルエンジン』を連想した。

ただちょっとクセがなくて、薄味かな。

大作アニメみたいな世界観を構築する腕は、ナカヤマ以上だ。

 

 

 

 

全速前進ようそろ!

いますぐ書店へとび、新時代の風を感じよう。




あせびと空世界の冒険者1 (リュウコミックス)あせびと空世界の冒険者1 (リュウコミックス)
(2014/09/13)
梅木泰祐

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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

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