笹目ヤヤのかがやき 『ハナヤマタ』7話

 

 

ガール・アイデンティティー

 

テレビアニメ『ハナヤマタ』第7話

 

出演:上田麗奈 田中美海 奥野香耶 大坪由佳 沼倉愛美 豊口めぐみ

演出:吉村文宏

絵コンテ:佐山聖子

監督:いしづかあつこ

シリーズ構成・脚本:吉田玲子

キャラクターデザイン・総作画監督:渡辺敦子

色彩設計:大野春恵

原作:浜弓場双『ハナヤマタ』(芳文社刊)

アニメーション制作:マッドハウス

放送:2014年

[第3話の記事はこちら

 

 

笹目ヤヤ、中学2年生。

美人で成績優秀、特技はドラム。

なにをしても目立つタイプの女の子。

 

 

 

 

バンド活動では本気でプロをめざし、オーディションをうけたりしてる。

もっともっと、かがやきたいから。

いまのままじゃ全然満足できない。

 

 

 

 

だからバンドが解散したときは、羽をひきちぎられる思い。

受験とか彼氏とか、オーディションにおちたのに「記念になった」とか、信じらんない。

 

 

 

 

でも本当につらいのは別のこと。

翼が折れてもいつか癒えるし、またはばたける自信があるけど、

わたしが傷ついてるのに、かわらず世界はまわってるのが歯痒い。

LINEをみると憂鬱。

 

 

 

 

小学校以来の親友の「なる」が、よさこい部ではりきっている。

いまのわたしより、かがやいてる。

 

 

 

 

熱心にさそってくれるのは、正直うれしい。

みんな良い子だし、よさこいも生でみたら、わたしにむいてる気がした。

きっとたのしいし、かがやけるはず。

 

 

 

 

けどあのコたちは、わかってない。

わたしがよさこいへ転向できないことを。

 

もし鳴子をもって笑顔でおどりだしたら、バンドやってた自分への裏切りになる。

なるたちが羨ましかったのを、みとめることになる。

自分が嘘つきだったことになる。

 

もちろん、だれにでも嫉妬心とか、みにくい部分がある。

わたしも否定しない。

でも必死においかけた夢を、なかったことにできない。

たとえ傷口がひらいても、あらがいたい。

 

あのコたちは、わかってない。

 

 

 

 

身をかくしても、犬みたいな嗅覚で追跡してきた。

単純だから、わたしのためと信じこんでる。

「ありがた迷惑」って言葉をしらない。

 

 

 

 

「気持ちはわかる」「ずっとそばにいるよ」「愚痴でもなんでもつきあう」

 

やさしくされるほど、心がじくじく痛む。

もう耐えられない。

わかってほしくない感情だってあることを、わかってない。

きっぱり拒絶しないと、これが永遠につづく。

 

「……わたしを勝手に『なかよしごっこ』にまきこまないでッ!!」

 

 

 

 

気弱ななるは、このひとことが致命傷になるはずだった。

数か月前なら。

友達への侮辱とうけとったらしく、逆ギレする。

 

「ヤヤちゃんのバカーッ!!!!!」

 

 

 

 

「……そうやっていつもカッコつけて、孤独ぶって、本当はさみしがりやのくせに!

わたしわかってるんだからねッ!!」

 

ペットみたいに面倒みてあげて、ずっと従順だったなるは、

ひそかにわたしを観察し、よわいところを見抜いていた。

 

 

 

 

ながいつき合いだから、おかしくない。

おたがい、良いところも悪いところもしってる。

でもわざわざ口にする必要ない。

一番いわれたくないことを、人前でいうことないじゃない。

 

 

 

 

これまでヤヤは理性にしたがい生きてきた。

正しいとおもうことだけしてきた。

うまれてはじめて、ひとに純粋な悪意をぶつける。

親友を、できるだけふかく傷つけるため。

 

 

 

 

勿論、機械じかけの百合の神は、すべてまるくおさめる。

 

 

 

 

乙女らは、どれほどうつり気だろうと、「共感の輪」にいればつねに正義。

 

 

 

 

ヤヤの抵抗は無意味だった。

 

 

 

 

しかし校門の階段をくだりおわるまで、膝をつくのをたえたヤヤの自尊心は、

やはり感動的だし、百合に染まりきらない個性が、キラキラ異彩をはなつ。




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(2014/12/26)
上田麗奈、田中美海 他

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