世界超能力大戦

1973年のニューヨークでのユリ・ゲラー

 

 

スプーン曲げとゆう「超能力」は、超テレビむきの題材だった。

映像としては神秘的だが、お手軽で罪がない。

そのハンサムなイスラエル青年は、世界の価値観をかえた。

 

物理学者は、ふってわいた様な超能力ブームを黙殺するが、

1972年にスタンフォード研究所が、ユリ・ゲラーをまねき検證をおこなう。

糸をひいたのはCIA。

研究所は軍事技術もあつかうため、政府の依頼をことわれなかった。

 

たとえ一流の科学者でも、超能力を探究の対象とするのはむつかしい。

「再現性」に問題あるから。

特にゲラーはきまぐれで、管理された条件下で安定した結果をだせない。

超常現象が不安定なのは当然だろうが、単なる言い訳にもみえた。

それでも驚異的な透視能力についての論文が、『ネイチャー』誌に掲載される。

 

 

 

 

なぜCIAは超能力に首をつっこんだか?

当時ソヴィエトがESP研究に力をいれてたから。

これがナンセンスなのは百も承知だが、脅威となる可能性がゼロでない以上、

アメリカも研究に着手せざるをえなかった。

自称超能力者以外、デタラメと證明されるのをだれもがのぞんでいた。

 

ところが研究をひきついだ陸軍はノリノリで、実戦部隊を結成。

海軍や空軍とちがい、科学的根拠を気にしてたら陸軍軍人はつとまらない。

日本でも有名なジョゼフ・マクモニーグルらは、ソ連の原子力潜水艦「タイフーン級」や、

逆に米軍が極秘に開発していたステルス戦闘機などの透視に成功。

当時の公式文書が現在公開されている。

軍幹部は驚愕し、ふるえあがった。

「もしソヴィエトが、同等の能力をもつとしたら……!?」

 

1995年、あまたの「戦果」あげた超能力部隊が廃止される。

冷戦終結や、超能力より超能力的な情報技術の進歩などが理由だが、

そもそも遠隔透視がもたらす情報は、大して役にたたなかった。

通常の諜報活動をおぎなう参考程度にもちいられた。

過去にどれだけ偉業をおさめようと、超能力者の言葉に命はかけられない。

 

 

『ラブライブ!』1期12話(テレビアニメ/2013年)

 

 

さらに想像たくましくすると、ソヴィエトが冷戦にやぶれたのは、

エスパー兵士のハラショーな能力にたよりすぎたからかも。

 

 

城谷間間『妹はアメリカ人!?』(マイクロマガジンコミックス)

 

 

売られたケンカは買うが、過度にのめりこまない。

研究熱心で、情報だいすきで、現実的。

なんだかんだでアメリカは戦上手だ。







【参考文献】

梅原勇樹/苅田章『NHKスペシャル 超常現象 科学者たちの挑戦』(NHK出版)



NHKスペシャル 超常現象―科学者たちの挑戦NHKスペシャル 超常現象 科学者たちの挑戦
(2014/03/20)
梅原勇樹、苅田章

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