ninikumi『シュガーウォール』2巻

 

 

シュガーウォール

 

作者:ninikumi

掲載誌:『COMICリュウ』(徳間書店)2013年-

単行本:RYU COMICS

[1巻の記事はこちら

 

 

 

幼なじみの様な、恋人の様な、姉の様な。

おデコがまぶしい「黄路(こうろ)」の透明感はましている。

 

 

 

 

通い妻的ふるまいも板につき、ひとりぐらしのメガネ男子高校生、

「柚原(ゆはら)」の家に親戚からとどいた、大量のミカンをジャムにする。

ビンを殺菌したりとか、こまごました日常がたのしい。

 

 

 

 

黄路はいつもケガしてる印象。

2巻では、あるけなくなるほど足をくじく。

 

 

 

 

おぶって自宅までおくる。

柚原が彼女の家をみるのは、はじめて。

影が支配する街に、通行人はいない。

 

 

 

 

そもそも黄路と柚原は家族全員をうしなっている。

極少の要素で構成される物語だ。

内面と住居に死者の痕跡をさぐり、かれらと対話しつつ、日々をすごす。

 

 

 

 

黄路は柚原本人より、柚原の亡き姉に執着。

つめたく拒絶されたことを根にもっている。

 

 

 

 

わるいのは柚原だから。

川でおぼれかけた柚原をたすけようとして、自分の父が溺死し、

その一部始終をみていた自分が、だれより傷ついたのに、

弟をまもるためとかいって、わたしを責めるなんて理不尽だよ。

 

 

 

 

柚原の姉の部屋にあった学ランをいただいた。

姉と弟のあいだにわりこむ。

性差を曖昧にする。

姉の名誉のため、自分の精神を防衛するため、柚原は黄路をたたく。

 

 

 

 

翌日は雨。

街並みのきりとり方に冴えをみせるninikumiだが、

晴天でも憂鬱な描写であるせいか、雨雲はむしろやさしく感じる。

水のイメージが、ひたひたしみこむ。

 

 

 

 

黄路は傘もささずブランコをこいでいた。

背後からちかよると、腫れあがった頬でわらう。

空虚な毎日で、傷ばかりふえてゆく。

 

 

 

 

黄路の胸にひろがる疵痕は、自傷行為によるものらしい。

柚原はそれを癒そうとしない。

くじいた足首に湿布を貼るくらいするが、あたらしくつけた傷の方がおおい。

 

わかい男女のメランコリックなまじわりを、うつくしいカットでとらえる漫画だ。

いわくありげだけど、ボクは「考察厨」の傾向や能力がなくて、くわしくわからない。

本当の自分ではない自分につきうごかされる自分、それがテーマなのはわかる。

 

 

 

 

いちまいいちまい皮をむいても、まだヒロインの核心にとどかない。

巨大な闇、または光に、のみこまれてしまいそう。




シュガーウォール 2 (リュウコミックス)シュガーウォール 2 (リュウコミックス)
(2014/08/12)
ninikumi

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