濱田浩輔『はねバド!』3巻 イニシアティヴ

 

 

はねバド!

 

作者:濱田浩輔

掲載誌:『good!アフタヌーン』(講談社)2013年-

単行本:アフタヌーンKC

[以前の記事→1巻/2巻

 

 

 

強敵がつぎつぎあらわれてこそスポ根。

女子バトミントン漫画の3巻で濱田浩輔は、

新キャラ「芹ヶ谷薫子」に、海へむかい自己愛をさけばせる。

 

 

 

 

薫子は、ヒロイン「羽咲綾乃」の中学時代のライヴァル。

いたいたしい思い出がよみがえる。

 

 

 

 

手段えらばぬ薫子に喫した敗北は、母の失踪の原因となった。

綾乃にとり深刻なトラウマ。

物語は外へひろがりつつ、内むきに螺旋階段をかけおりる。

 

 

 

 

単行本のあとがきやオマケをよむと、2巻発売時のサイン会が刺激となったらしく、

新ユニフォームのエロさにも、作者の意気ごみが反映。

 

 

 

 

帯はヤスダスズヒトが担当。

画集も買ってるくらい、濱田はヤスダの大ファンとか。

おっぱいへのこだわりに、影響をよみとるのは容易だ。

 

 

 

 

「志波姫唯華」のいるフレゼリア女子の、アシンメトリなデザインもすてがたい。

平坦な体型のかすかな曲線は、紙面を指でなぞりたくなる繊細さ。

 

 

 

 

一方、キャプテン「荒垣なぎさ」の凹凸は圧倒的。

2巻の着替えとくらべ正面むきだが、ジグザグのシルエットはかわらず、

ワキ見せの艶もくわわり、ヴォリューム感がすさまじい。

 

 

 

 

さて、インターハイ神奈川県予選。

理知的な3年生「理子」のシングルス挑戦などえがく。

敵がフォアサイドをあけるのは、苦手なバックハンドをつかいたくないから。

その弱点をみぬいたうえで、あえてフォアに打ったり。

『はねバド!』は、駆け引きをおもんずるスポーツ漫画だ。

 

 

 

 

すったもんだあった綾乃と薫子は、3回戦で激突。

 

 

 

 

堅固な意志力のお嬢さまと、人間ばなれした反射神経の天然娘。

主導権をにぎるのはどちらか。

 

 

 

 

「駆け引き」は戦いの醍醐味だが、物語では空疎になりがち。

相手のグーに対しパーをだす、単なる「後出しジャンケン」にみえる。

 

本作は綾乃の無感動なたたずまいに、薫子が後手をふむ瞬間を結晶化。

漫画ならではの必然性。

 

 

 

 

必然性ある駆け引きとしてボクがおもいうかぶのは、

『スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐』のラストとか、

『銀河英雄伝説』の「バーミリオン星域会戦」とか。

 

登場人物の個性に、大掛かりなプロットがからまり、重厚なあじわい。

 

 

 

 

『はねバド!』は、そうした傑作群に肉薄している。

サーカスみたくかろやかに。




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(2014/07/07)
濱田浩輔

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