うず『きぐるめくるみ!』

 

 

きぐるめくるみ!

 

作者:うず

掲載誌:『月刊まんがタウン』(双葉社)2013年-

単行本:アクションコミックス

[同作者の『しばいぬ子さん』の記事はこちら

 

 

 

なぜ着ぐるみは愛されるのか?

中身は人間とわかっているのに。

ゆるキャラブームに一石投じる、心理学的四コマ漫画。

 

 

 

 

髪をきり、決死の覚悟で入学式にのぞんだ「木ノ下くるみ」は、高校デビュー失敗。

ヘアスタイルくらいじゃ、内気な自分をかえられない。

だったら「中の人」になっちゃえ!

 

 

 

 

活動内容は未定のまま、婚活にもえる「篠田先生」を釣り、着ぐるみ同好会設立。

 

 

 

 

クラス委員長の「楓」と、手芸男子の「亨」を、部員として駆りあつめた。

ふたりとも着ぐるみに関心なく、席がちかいので名前だけ貸す。

 

 

 

 

特に楓は、決して着ぐるみをきない。

すでに「眼鏡キャラ」と「委員長キャラ」を確立してるから、別人格は必要ない。

 

しかし楓は、先輩の無気力ぶりをきらって文藝部をやめ、

くるみのねじくれた情熱に賭けることに。

『しばいぬ子さん』にせよ『炊飯器少女コメコ』にせよ、

シュール系ギャグが得意なうずの新作は、意外なほど青春してる。

 

 

 

 

本作はバトル漫画でもある。

ストーカー的にくるみに執着する幼なじみの「三日月もも」は、

お嬢さま校の仲間ひきつれ、ライヴァルとして名乗りをあげた。

 

 

 

 

特訓風景は、じわじわ来るおかしさ。

なにが悲しくてツンデレ美少女が、暑くるしい着ぐるみで全身かくすのか。

いやツンデレだからこそ、心に鍵をかけるのか。

 

 

『しばいぬ子さん』(竹書房)

 

 

うずは「ペルソナ」の作家といえるだろう。

周囲に適応するうち形成された、内界をまもる強固な殻としての假面。

一筋縄でゆかない、人間の複雑な本性。

 

 

 

 

ヒロインが姿をみせたがらない本作は、サブプロットで読者をつかむ。

たとえば木ノ下家と三日月家の、世代をこえた確執とか。

 

 

 

 

くるみも、手芸男子とのフラグがたちかけるが……

 

 

 

 

ツンデレ幼なじみとの百合とゆう本流にのみこまれ、うやむやに。

燃えあがった頬は、またすぐ假面のしたへ。

 

 

 

 

シュールでカオスなのに、計算ゆきとどいた物語。

眼鏡のかげで駒をあやつり、世界をうごかす神がいるみたい。




きぐるめくるみ!(1) (アクションコミックス)きぐるめくるみ!(1) (アクションコミックス)
(2014/07/28)
うず

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苑田 健

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